芝大神宮は、東京都港区の、都営大江戸線・浅草線の大門駅より北西へ徒歩2分の地に鎮座する鎮守社。当社についての詳細は芝大神宮の記事を参照。
芝大神宮の例大祭は9月中旬に催される。
芝大神宮 だらだら祭
9月中旬に行われる芝大神宮の例大祭は、だらだらと10日間ほども続くのでだらだら祭りと通称する。往古は祭礼日は一日間だったとされるが、江戸時代に伊勢参りが流行するなか、江戸で最も高名な伊勢神宮分社である当社には秋祭りの時期に参拝者が増加し、それに合わせて祭礼期間も次第に伸びていったとされる。かつてはめくされ祭、生姜祭、めっかち祭などの異称もあった(後述)。
この祭礼では、隔年で町神輿十数基の連合渡御が行われるほか、不定期で宮神輿が渡御する。
なお、大祭神事が行われるのは、芝大神宮の鎮座日とされる9月16日に固定されている。
参道沿いには露店が若干出店する。
神社の階段下には御羽車と獅子頭が飾られる。御羽車は神霊を担ぐための輿の一種で、当社には祭神である天照大御神と豊受大神の2基がある。
宮元大門神輿会の大神輿は昭和52年製作。八棟造りであるが、少し屋根の高さが低い。神輿に附属する鳥居も、明神鳥居ながら額束の無い変則的なもの。本職の神輿師が作ったのではなく地元の大工の製作。
こちらの八棟造の神輿は昭和29年製作。
町神輿の連合渡御
隔年で町神輿の連合渡御が催される。氏子町会の町神輿約20基が、浜松町駅方面から大通りを西へ渡御する。
宮神輿の渡御
宮神輿の渡御間隔は不定期であるが、皇室の慶事や節目の年などに、氏子地域を一日かけて渡御する。
本社神輿は平成10年製作。
だらだら祭りの異称と生姜
この祭礼は、かつてはめくされ祭、生姜祭、めっかち祭などとも呼ばれた。
祭礼期間中には境内で生姜が売られているが、かつてはその影響で青物市場の相場が動いたという。
異称の由来として『芝大神宮誌』は、売っている生姜が芽を欠いている(芽欠き)、片目の者が売っている(めっかち)、根勝生姜に由来する、片目の者から買うと思わぬ福がある、由比正雪が玉川上水上流に毒を流し江戸市民の虐殺を図った際に下流で片目の老婆が生姜を洗っていたため毒が消えた、生姜が穢悪を除き神明に通じる、摂社住吉神社(御手洗社)は眼病に霊験ありとして目洗薬眼翁という薬を授与したので眼病患者が集まった、などの説を紹介したうえで、実際は鎮座時に土地で採れた生姜を神饌に備えた古例に由来するのだろうと推測している。
またこの祭礼では縁起物として千木筥が売られるが、これは中に大豆が入っており、千木筥をタンスに入れると衣装持ちになるとか神棚に置くと魔除けになるなどと言われる。