六義園
六義園は、東京都文京区の、JR山手線・東京メトロ南北線の駒込駅より南へ徒歩7分の位置に入口がある回遊式日本庭園。
国指定特別名勝。江戸幕府幕閣の柳沢吉保が、川越藩主時代の元禄15年(1702年)に完成させた江戸下屋敷の跡に残る庭園で、紀州和歌ノ浦の景勝になぞらえて作庭されている。
維新後、柳沢家(その当時は大和郡山藩主)の手を離れて三菱財閥岩崎家の別邸となり、昭和13年に東京市に寄付され一般公開された。
江戸時代の建物は現存せず、岩崎邸時代の建物も、つつじ茶屋と旧倉庫が残るのみ。
内庭大門は、岩崎家から六義園を寄贈された東京市が建てたものが残る。なお、通常期は六義園への入口は南側の門のみであり、駅に近い北側の門は閉ざされている。
宣春亭は、戦前に世田谷区の長尾邸に建造され、戦後に当地に移築された茶室。
心泉亭は、戦後に築造された茶室。
中の島には、和歌ノ浦に見立てて背山と妹山という築山が築かれている。中の島の裏側の大泉水は紀ノ川に見立てられている。
蓬莱島は岩崎邸時代に築造。その向こうの吹上浜には現在、戦後に建てられた吹上茶屋がある。吹上もまた、和歌山の地名に基づく。
滝見茶屋の奥には滝がある。
つつじ茶屋は岩崎邸時代の遺構。
剡渓流に沿って、細い「蛛道」が走る。
藤代峠は和歌ノ浦の藤白坂に見立てたもの。六義園はツツジの名所として知られ、特に藤代峠はその核となる。
旧倉庫は岩崎邸時代の遺構。
正月行事
各都立庭園では正月三が日に正月行事が行われるが、六義園では毎年、神田囃子と寿獅子が催される。
春の夜間ライトアップ
3月下旬頃の桜の開花時期には開園時間が延長され、ライトアップされる。イベント名はたびたび変更される。この行事に関する詳細は「六義園 春夜の六義園」の記事を参照。
庭紅葉の六義園
11~12月の紅葉の季節にも夜間ライトアップされる。この行事に関する詳細は「六義園 庭紅葉の六義園」の記事を参照。
江戸太神楽
江戸太神楽(東京都指定無形民俗文化財)の丸一仙翁社中が、六義園の近隣地区である白山を拠点に活動しており、六義園に人出の見込まれる機会には園内で比較的頻繁に芸を披露している。。
江戸太神楽の本来の表芸は獅子舞であるが、現在では余興の曲芸や話芸の方で知られる(なお、太神楽は神社の社伝の神楽のことを指す大々神楽とは別モノである)。