国会前庭 & 水準原点
国会前庭は、東京都千代田区の、東京メトロ有楽町線の桜田門駅より西へ徒歩3分の地に位置する庭園。国会議事堂から道路を挟んで東側にあり、東京メトロの永田町駅・国会議事堂駅・霞ヶ関駅からも近い。
国会前庭は和風庭園の南庭と洋風庭園の北庭で構成され、うち北庭には重要文化財の水準原点がある。
南庭
国会前庭の南地区は和風庭園として整備されている。江戸時代は福岡藩主黒田家の上屋敷(の一部)であった。明治期には有栖川宮邸を経て明治29年に霞関離宮となるが第二次大戦で戦災焼失し、戦後に国会前庭として一般公開された。
北庭
国会前庭の北地区は洋風庭園として整備されている。江戸時代には彦根藩主井伊家の上屋敷であった。明治時代以降は陸軍参謀本部や陸軍省が置かれ、戦後に国会前庭として整備・一般公開された。
北庭には水準原点や憲政記念館(建て替え予定)もある。
桜の井は加藤清正が掘ったと伝える井戸。昭和43年、道路拡張に際して現在地に移設。東京都指定旧跡。
水準原点
北庭には、参謀本部陸地測量部(国土地理院の前身)の遺構として水準原点が残り、重文に指定されている。これは国内各地の標高を決める際の基準となるものである。
なお、原点の変動は、神奈川県三浦市の油壺潮験場との間で測量を行うことにより把握している。
水準原点掩蓋(水準原点を保護する覆屋)は国指定重要文化財。明治24年建造で石造(一部は煉瓦造)。
重文指定前は「日本水準原点標庫」の名称で東京都の文化財に指定されおり、重文指定後に建て替えられた国土地理院による現地説明板でも継続して「日本水準原点標庫」の名称を使用している。
水準原点も国指定重要文化財。明治24年建造。水準原点は、地上にある台石から約10m地下にあるコンクリート製の基礎部まで、煉瓦を巻いたコンクリートの柱が伸びている。
文化庁による指定名は「水準原点」であるが、国土地理院による現地説明板では「日本水準原点」と呼称している。
通常は非公開だが、測量の日(6月3日)に近い週末などには一般公開される。
北庭には一等水準点が5基(甲・乙・丙・丁・戊)あり、うち水準原点に近い甲・乙・丙の3基は「附属標石」の名称で重文に附指定されている。
丁以外の一等水準点は鉄蓋が被せられており、通常は非公開。
北庭の一等水準点5基の中で、丁だけはむき出しとなっている。なお、丁は文化財指定はされていない。