八雲氷川神社
八雲氷川神社は、東京都目黒区の、東急東横線の都立大学駅より西へ徒歩7分の地に鎮座する、旧衾村の総鎮守。創建年代は不詳だが、一説に慶雲4年(707年)創建と伝える。境内には、戦災焼失を免れた社殿が一式残る。
社殿は本殿・弊殿・拝殿で構成された権現造。戦後に改修されるまでは茅葺で、拝殿の千鳥破風もなかった。
『目黒区大観』によると、本殿は幕末の1846年築(社殿内にある祠の棟札に1817年とあるのは本殿再建時のものと推測)、拝殿も幕末の1857年築、幣殿は明治24年頃の改築。
八雲氷川神社は癪封じの利益で知られ、境内にあったアカガシの巨樹の皮を煎じて飲むと癪封じに効があるとされた。そのため皮が剥がされ、遂には枯死してしまい、現在は根本のみ保存されている。
社殿の脇にある奥宮は戦後の再建。
神楽殿は明治22年頃建造。例大祭には、八岐大蛇退治の神話に基づく「剣の舞」が奉演される。額殿(絵馬殿)は明治40年に修繕(つまり建造はそれ以前)。
額殿(絵馬殿)に剣の絵馬が多く奉納されているが、これは癪封じの礼に剣の絵馬を奉納する習わしがあったため。
例大祭は9月中旬。
明治の神仏分離までは隣の金蔵院が別当寺であった。