新井薬師(梅照院)
新井薬師梅照院(あらいやくしばいしょういん)は、東京都中野区の、西武新宿線の新井薬師前駅より南西へ徒歩7分の地に位置する真言宗豊山派の寺院。
正式には新井山梅照院薬王寺。少し前までは山号は松高山であった。
本尊は元は新田家の守護仏で、新田義興(義貞の次男)が金山城(太田市)に収蔵し奉仕を怠ると、飛び去ってしまう。永禄年間(1558-70年)、相模の僧行春が新井に草庵を結ぶが、天正14年(1586年)のある夜、庭の梅が放光したので探ると木の空洞に仏像があった。これが件の仏像とわかり、当寺を創建。
異伝では、元久元年(1204年)、新田義範が武蔵国に構えた陣所に守り仏像を安置した。延徳元年(1489年)、住民が開墾中にこの仏像を掘り出し、堂を建てたのが草創で、天正14年(1586年)に行春が開山したとする。
梅から光明が照り輝いたことに因み梅照院と号した。
西武新宿線沿線では有力な寺院で、参拝者は多い。
本尊は弘法大師空海の作と伝える二仏一体の薬師如来・如意輪観音。
当寺は明治の神仏分離令まで、近隣の新井北野神社の別当寺であった。