葺不合神社
葺不合(ふきあえず)神社は、千葉県我孫子市の、JR成田線の新木駅より西へ徒歩10分の地に鎮座する鎮守社。
鵜葺草葺不合尊(神武天皇の父)を祀ることに由来する。
奈良時代創建とも伝え、現在地の東北に鎮座していたが、明治39年に現在地へと遷座(後述)。
拝殿は元は江戸期の仏堂で、明治期建立の本殿には多くの彫刻が施されている。また境内の構造も特徴的。


参道を進むと下りの石段となる。

石段を下ると、左側には弁天池(の跡)がある。前述の通り、現在の境内はかつては厳島神社の境内であった。

二ノ鳥居は葺不合神社の旧境内に明治15年に建立されたものを移築。我孫子市指定文化財。拝殿に至るには今度は上りの石段がある。

拝殿は江戸中期の1765年に弁天堂として建立された仏堂建築で、明治維新で厳島神社の社殿となり、葺不合神社が当地に遷座した後はその拝殿となった。我孫子市指定文化財。

拝殿内の右側の厨子はかつての祭神だった弁財天の厨子か。中央の扉は本殿を遥拝するために遷座後に設けた。

拝殿の背後の石段を更に登ると本殿がある。本殿は明治30年に建立され、同39年の遷座の際に移築。壁面全面に彫刻が施されている。我孫子市指定文化財。

本殿の背後の石段を登ると、祭神の神名を刻んだ石碑(明治25年建立)がある。

境内社白山社の脇には男根像が安置されている。
遷座の経緯
今の境内は、元来は文治2年(1186年)創建と伝える厳島神社(沖田弁天)の境内であった。
一方、葺不合神社は現在地から東北へ300m離れた地(明神山)に鎮座していた。明治39年、神社合祀政策を背景に、葺不合神社は厳島神社の境内に遷座し、厳島神社を含む村内の神社群がそれに合祀される形となった。