亥鼻城跡
亥鼻城跡は、千葉県千葉市の、JR内房線の本千葉駅より東へ徒歩8分(千葉都市モノレール1号線の県庁前駅からは東へ徒歩5分、京成千葉線の千葉中央駅よりは東へ徒歩11分)の地に位置する、中世の平山城。通称は千葉城。
平安時代の大治元年(1126年)、平常重が当地に居館を構えた地とされ、その地名を採って以降は千葉氏を称した(ただし現在は居館は麓の平地にあったと考えられている)。以来、千葉氏宗家累代の居城であったが、室町時代の康正3年(1457年)に千葉氏が本拠を本佐倉城に移したため廃城となった。
現在は亥鼻公園として整備され、土塁や空堀が残る。市指定史跡。
お茶の水は城郭の北西端にある井戸。千葉氏は代々この水を産湯水に使用し、千葉常胤はこの水で源頼朝に茶を献じたと伝える。背後にあるのは不動堂など。
城郭の北西端は裏門方面とされる。
神明社の境内は物見の跡と伝える。石段下は空堀跡。
主郭には桜が植えられ、春には千葉城さくら祭りが開かれる。
周囲には土塁と空堀が残る。
千葉県殉職警察官之碑(左)は明治44年の、千葉開府八百年記念碑(右)は昭和4年の建立。
千葉市立郷土博物館
亥鼻城跡にある天守閣は昭和42年にRC造で竣工。天守閣が実在しなかった城跡に建てられた、いわゆる模擬天守であり、千葉市立郷土博物館として利用されている。千葉市の歴史郷土資料が展示されおり、入館無料で館内展示物は半分ほどが撮影可。
5階には建物外周に通路が設けられ、四方の展望が楽しめる。写真は西方の市街地方面(中央左寄りの超高層ビルは県庁)。
七天王塚
千葉市の文化財(史跡)指定では、亥鼻城跡に七天王塚を含めている。この七天王塚とは、亥鼻城跡から千葉大学医学部(亥鼻城の外郭跡とも)にかけて分布する7基の塚を指し、千葉氏の守護神の一つである牛頭天王を祀る。
塚は千葉氏の信仰した妙見菩薩を象徴する北斗七星の形とも、将門の7人の影武者の墓とも、千葉氏の7人の兄弟の墓とも言われる。