夏見日枝神社
夏見日枝神社は、千葉県船橋市の、JR総武線の船橋駅より北東へ徒歩22分の地に位置する鎮守社。
創建年代は不詳。
鳥居には藁で出来た大蛇の注連縄が掛けられているほか、本殿には壁面全面に彫刻が施されている。
また境内には船橋大神宮の元宮と伝える祠がある。
二ノ鳥居には藁で出来た大蛇の注連縄が掛けられている。これは毎年10月9日に作り替えられる。
頭が西を向いているのは、伊勢神宮に尻を向けないためと言う。
本殿は壁面に彫刻が嵌め込まれている。
拝殿の西側にある境内社神明社は、船橋大神宮の元宮と伝える。
夏見日枝神社と船橋大神宮
船橋大神宮の創建伝承では、日本武尊が海神村の現・夕日神社に祀った神鏡は、後に夏見村に遷座し、更に後に遷座して現在の船橋大神宮となった、としている。
夏見地区は平安時代後期は伊勢神宮の荘園「夏見御厨」の中心地であった。伊勢神宮領に伊勢神宮の分社たる神明社が勧請されるのは一般的なことであり、実際のところ、夏見に神明社が勧請されたのはこの時と考えられ、中世末に荘園が衰退し船橋大神宮に合祀されたと考えられている。
また夏見での伝承では、船橋大神宮はかつては夏見日枝神社の「注連下社」だったが、いつの頃にか現在地(船橋市宮本)へと遷座したと伝える(「注連下社」なる語は字義から推測するに、境内もしくは社前周辺にあった摂末社の類か)。
夏見日枝神社の境内には船橋大神宮の元宮と伝える小祠(神明社)があるが、これは明治41年、日枝神社と共に南100mから遷座したものという。
なお、夏見日枝神社境内の掲示には、創建年代は不詳だが一説に日本武尊の東征の頃と云われている、とある。これは、当地に伝わる「日本武尊が東征中に現・夏見で祈雨の儀を行い、神鏡を積んだ船を海上に見つけたが、それが夏だったので「夏見」の地名が生まれた」との伝承に拠るものと思われる。