石浜神社は、東京都荒川区の、南千住駅(JR常磐線・地下鉄日比谷線・つくばエクスプレス)より南東へ徒歩15分の地に位置する鎮守社。当社についての詳細は石浜神社の記事を参照。
荒川区と台東区の境界近くに鎮座し、氏子地域は台東区の橋場(旧橋場町)と荒川区南千住南部(旧橋場町百姓地)に跨る。当社では5月下旬に例大祭が催される。
石浜神社 例大祭
石浜神社の例大祭は、5月下旬に執り行われる(この祭礼の沿革は後述)。
隔年開催の本祭では、宮神輿が渡御する。
宮神輿の渡御(本祭の年)
隔年の本祭の年には、神幸祭として宮神輿が渡御する。
町神輿の連合渡御(本祭の年)
石浜神社の氏子は台東区側5ヶ町と荒川区側2ヶ町であるが、うち台東区側5ヶ町は、本祭の年に金曜(連合宮出し)と土曜の夕刻にそれぞれ連合渡御が組まれる。
稚児行列(陰祭の年のみ)
陰祭の年は宮神輿は出ないが、稚児行列や子供神輿の渡御などが行われる。
神輿の石浜鳥居
当社の特徴とも言える石浜鳥居は、神輿にも付されている。全ての神輿を確認したわけではないが、現在確認した範囲では、本社神輿のほか、橋場二丁目町会の大・中・小の神輿、および橋場一丁目町会の神輿に、石浜鳥居が各4基(計20基)ある。
また、宮神輿と橋場二丁目町会の大神輿は、頂に擬宝珠を据える点でも、まあまあ珍しい。
石浜神社例大祭の歴史
石浜神社の例大祭は、かつては境内で生姜を売ったため生姜祭や生姜市とも呼ばれていた。そのことにちなみ、現在の例大祭では境内で生姜が配られ、また生姜湯や生姜糖も振る舞われている。石浜神社の例大祭のビラによると、生姜は「穢れを祓って神明に通ず」るものであり、また生姜糖は古来より伊勢土産で元来伊勢神宮の神饌の一つだったという。なお、当社は伊勢神宮の分社(つまり神明社)である。
石浜神社の例大祭は元来は9月16日で、宮元である橋場町の鎮守であった境内摂社江戸神社の祭礼(江戸時代は橋場牛頭天王祭と呼ばれた)が6月15日であり、この当社では2社の祭礼が行われていた(つまり年2回)。
しかし橋場町が経済負担に耐えられず年1回とすることになり、日程は江戸神社の6月15日の方が採用された。ただし、生姜祭のエピソードでわかる通り、牛頭天王の方ではなくあくまで神明社の方の祭礼である。さらに昭和26年、付近の今戸神社・熱田神社・玉姫稲荷神社と協定を結んで4社の例祭日は6月1日に統一されたが、現在では5月下旬に催されている。なお、大正末期までは数年に一度、陸上渡御に加えて隅田川での船渡御も行われていた。