駒込富士神社は、東京都文京区の、東京メトロ南北線の本駒込駅より北へ徒歩8分の地に鎮座する神社。当社に関する詳細は駒込富士神社の記事を参照。
6~7月ころ、富士山の山開きにあわせ、山開きなどと称する祭礼が行われる富士塚は多いが、この駒込富士神社の山開祭(大祭)では比較的多くの露店が出る。なお、当社では8月28日に山終いの祭礼である鎮火祭も行われる。
駒込富士神社 山開祭
駒込富士神社においては、例年6月30日~7月2日において山開祭が開催される。6月30日の朝に万灯回りが行われ、例大祭(山頂祈願祭)の式典はその翌7月1日に執り行われる。当社では都心の富士塚としては露天商の露店も比較的多いが、他の多くの山開祭が7月1日のみまたは前日6月30日からの2日間なのに対し、7月2日も「納め」として引き続き露店が出るのも特色。
6月30日の朝、祭りの先触れとして1本の万灯を掲げて講員が近隣を練り歩く(万灯回り)。その後、その万灯は拝殿正面の石段脇に安置される。
7月1日の朝には社殿内で例大祭の式典が行われる。なお、翌2日には特に式典は無いが露店は出る。
常は閉ざされている赤堂(下浅間社)の扉も開かれる。中には厨子がある。
東京23区内の山開きとしては露天商の出店が多く、東京23区内では浅草富士浅間神社の植木市や北区十条冨士神社の大祭に次ぐ規模。
縁起物として神竜(麦藁蛇)や富士山型の麦落雁も売られる。この神竜は、「昔、境内で雨乞いをしていた時、天から龍が天降り、境内の神木に巻き付いた」という伝承に由来し、火伏せの利益があるといわれる。また、水道の蛇口にぶら下げておくと神竜が水毒を消してくれるので夏場に水あたりしないとも、竜の口から垂れている赤い舌を煎じて飲めば解熱の効果があるともいう。当地はかつて大麦の産地であり、その大麦で作った落雁や麦藁蛇を、沿道の農家が売っていたのである。なお、この麦藁蛇はかつては東京各地の富士塚の山開きで頒布していた(現在でも浅草富士浅間神社や北区の十条冨士神社でも山開き祭でも頒布されている)。