十条冨士神社は、東京都北区の、京浜東北線の東十条駅より西へ徒歩4分の地に鎮座する富士塚。十条冨士と通称される。神社の創建は江戸時代中期の明和3年(1766年)。山開きの大祭では多くの露天商が出店するのが特徴。
十条富士は高さ5.8m。神社の創建は1766年で、塚も遅くとも江戸時代後期の1840年には富士塚として利用されていたが、元は古墳だったと推定されている。北区指定有形民俗文化財。道路拡幅により再構築中。
十条冨士神社 大祭
十条冨士神社の山開きの祭礼である大祭は6月30日と7月1日に催され、地元住民からは「お冨士さん」とも呼ばれている。東京都区部の富士塚の山開き祭としては、文京区の駒込富士神社の山開祭および台東区の浅草富士浅間神社の植木市と並んで露天商が多く出店するのが特徴。
十条冨士の最寄り駅はJR京浜東北線の東十条駅であるが、そこからではなく、JR埼京線十条駅の北西の十条銀座から、フジサンロード沿い280mに埼京線の線路をまたいで約200の露店が出る。
富士塚の麓には御仮屋が設けられ、礼拝対象の御三福が飾られる。
富士塚の参道沿いには幟が立てられる。
富士塚頂上の石祠(本殿)は明治14年の建立で、冨士神社に稲荷と第六天を合祀したもの。この石祠に拝礼すると富士山に登拝したのと同じ利益があるとされる。
祭りの期間中、この石祠脇の容器を富士山火口に見立て、線香や護摩木のお焚きあげが行わる。また富士講の講員が常駐して時々法螺貝を吹いていた。
縁起物としては、麦藁蛇が授与される。この麦藁蛇は駒込冨士神社から伝わったもので、かつては供給者も同じであった。