王子稲荷神社は、東京都北区の王子駅(JR・東京メトロ南北線・都電荒川線)より北へ徒歩5分の地に鎮座する稲荷社。当社に関する詳細は王子稲荷神社の記事を参照。
王子稲荷神社の特徴的な祭礼としては、元旦に催される王子狐の行列と、2月の午の日に催される初午祭・二ノ午祭(・三ノ午祭)がある。後者では縁起物として凧が売られるため、一般には凧市の名で知られる。
王子稲荷神社 初午祭・二午祭
王子稲荷神社の凧市は2月の午の日に立つ。
全国の稲荷社の総本社である京都・伏見稲荷大社の創建伝承の一つに、祭神が和銅4年(711年)2月の初午の日に稲荷山に降臨したというものがあり、そのため全国で多くの稲荷社がこの日に祭礼を行う(旧暦の2月の午の日に祭礼を行う所もあるが、その場合は新暦における3月頃の開催となる)。
その流れで王子稲荷神社では、2月の午の日(初午、二の午、三の午)に初午祭・二午祭・三午祭が催されるが、そこで「凧市」が立つ(ただし三の午の日は無い年の方が多く、その年は当然三午祭は催されない)。
現在では凧を売る店は社務所の所にあるきりだが、旧参道沿いに普通の露店は数多く出店する。
旧参道沿いには露店が並ぶ。
飾り付けられた社殿には大勢の参拝客が並ぶ。
凧市は江戸時代から続くもので、火事除けの縁起物として奴凧「火防の凧」が売られた。熱風が大火につながることから、風を切って揚がる凧を火事除けのお守りとしたといい、奴凧を祀ると火難を免れ無病息災・商売繁盛にご利益があるとする。参拝者は前年の凧を奉納して神社にお参りし、改めて凧を買い求める。
付属幼稚園の女児が浦安の舞を、男児が剣舞を奉納する。
正月と凧市の期間中のみ、宝物殿が公開される。館内には、幣殿内に掲げられていた柴田是真の鬼女の図と、外拝殿の天井にあった谷文晁の竜図が展示されている。
装束稲荷神社の凧市
同日、JR線反対側の装束稲荷神社でも凧市が立つ。