増上寺は、東京都港区の芝公園にある浄土宗の七大本山の一つ(七大本山の上に京都の総本山知恩院がある)。江戸時代は徳川将軍家の菩提寺として高い格式を誇り、門跡寺院である知恩院が浄土宗の総本山であったのに対し、宗務を取り仕切る総録所は増上寺に置かれていた。当寺についての詳細は増上寺の記事を参照。
御忌大会は浄土宗の開祖である法然の忌日法要で、増上寺では最も特徴的な行事であり、毎年4月2~7日に催される。
増上寺 御忌大会
御忌大会は浄土宗の宗祖法然の忌日法要である。現在、増上寺では毎年4月2~7日に催されているが、法然が死去したのは(1212年の)1月25日であり、したがって明治になるまでは1月に催されていた。この行事では、桜の開花時期とほぼ重なる6日間に渡り、法要を主体として様々な行事が行われる。
献茶式
初日(4月2日)の献茶式では、表千家によって本尊阿弥陀如来と法然上人に献茶がある。一般向けの茶席も立てられる。
なお、5~7日には境内で黄檗幽茗流煎茶道の野点が催される。
舞楽
御忌大会の期間中毎日、正午過ぎより大殿前の舞台で舞楽が奉納される。
練行列
4月5~7日には13:30より、大梵鐘の音を合図に練行列が催される。これは僧俗200~300名が伝統衣装で大門(都営大江戸線・浅草線の大門駅前の門)から三門を通って大殿(本堂)へと進むもので、唱導師が三門を潜る際には鐘の音と共に、極楽浄土になぞらえ三門から散華が舞い散らされる。稚児(天童)は諸天善神の化身として導師を守護する。
>練行列を終えると大殿前の庭儀台で庭儀式を行う。庭儀式は諸仏の降臨を請うて法要の円満成就を祈念するもの。庭儀式の後、大殿に入り法要を行う。
双盤念仏
双盤念仏は双盤という鉦を鳴らしながら念仏を唱えるもの。増上寺の御忌大会では、世田谷区の慶元寺、大田区の延命寺、府中市の本願寺の講により、三門脇で奉納される。東京都指定無形民俗文化財。
経蔵公開
増上寺の経蔵は江戸時代に建造された土蔵造の堂で、東京都指定有形文化財。中に納まっている八角輪蔵は通常は非公開だが、御忌大会の期間中は公開される。