円覚寺
円覚寺は、神奈川県鎌倉市の、JR横須賀線の北鎌倉駅より東へ徒歩1分の地に位置する、臨済宗円覚寺派の大本山。鎌倉五山第二位。
またユネスコ世界遺産暫定リスト「武家の古都・鎌倉」(イコモスに不登録勧告され推薦取り下げ)の構成資産であった。
弘安5年(1282年)、執権北条時宗が元寇における両軍の戦死者の菩提を弔うため創建。
境内は国指定史跡であり、また庭園も国指定名勝。鎌倉唯一の国宝建造物である舎利殿や、県文化財の三門はじめ諸堂が並び、本山に相応しい伽藍を備えている。
白鷺池(びゃくろち)は国指定名勝「円覚寺庭園」の構成要素。
総門は江戸時代建立。
三門は1785年建立。神奈川県指定有形文化財。
RC造の仏殿(本堂に相当)は昭和39年建立。
方丈唐門(勅使門)は1839年建立。
庫裡は昭和4年建立。
大方丈も昭和4年建立。
妙香池周辺は、建武年間に夢窓疎石が造ったと伝える庭園の遺構。国指定名勝「円覚寺庭園」の構成要素。
選仏場は1699年建立。座禅道場。
弁天堂は円覚寺の鎮守。江ノ島弁財天を勧請したもの。
鐘楼は江戸時代の建立。鐘楼に掛かる国宝の洪鐘は1301年寄進で高さ259.5cmで関東最大とされる。
塔頭(子院)
円覚寺には現在、19の塔頭がある。
正続院
正続院(しょうぞくいん)は円覚寺開山・無学祖元の塔所。弘安8年(1285年)に仏舎利を納めるため創建された祥勝院に、建長寺に創建された正続庵(無学祖元の塔所)を建武2年(1335年)に移し、正続院と改めた。
境内には国宝の舎利殿などがある。通常は非公開だが、正月三が日、ゴールデンウィーク、11月初旬の宝物風入の際に有料公開される。
宿龍殿(庫裏)は1784年建立。鎌倉市指定有形文化財。
鐘楼は1698年建立で鎌倉市指定有形文化財。
唐門は江戸末期の建立。
舎利殿(昭堂)は禅宗様建築の代表例で、県内唯一の国宝建築物。鎌倉市西御門にあった太平寺に15世紀前半に建立され、16世紀後期に移築された。仏舎利(釈迦の遺骨)が安置されている。
なお、舎利殿の裏には開山堂(1685年建立、鎌倉市指定有形文化財)があるが非公開。
仏日庵
仏日庵(佛日庵、ぶつにちあん)は円覚寺開基・8代執権北条時宗の塔所。9代執権貞時・14代執権高時も合葬されている。時宗が小庵を結んだのに始まり、天文年間(1532-1555年)に中興された。
山門は江戸中期の建立。
開基廟は1811年建立。北条時宗・貞時・高時の棺を安置。
黄梅院
黄梅院(おうばいいん)は夢想疎石の塔所。文和3年(1354年)創建。応安元年(1368年)には室町幕府第2代将軍足利義詮が分骨された。
観音堂は江戸初期の建立。
居士林(済蔭庵)
居士林(こじりん、済蔭庵)は在家のための座禅道場。座禅堂は東京牛込から柳生家の剣道場・碧榕館を昭和3年移築したものだが良く見えない。
山門は江戸末期の建立。
龍隠庵
龍隠庵(りゅういんあん)は、応永26年(1419年)に創建された塔頭・法珠院にその寮舎「龍隠軒」として設けられた。後に法珠院は廃絶し、龍隠軒のみが残った。永正6年(1509年)再興。
やぐらが幾つかある。