影向寺
影向寺(ようごうじ)は、神奈川県川崎市の、JR南武線の武蔵新城駅より南西へ徒歩24分の地に位置する、天台宗の寺院。
奈良時代の天平11年(739年)、聖武天皇の后である光明皇后が眼病を患った際、天皇に、当地の霊石の所に薬師如来を祀る寺を建てれば平癒するとの夢告があり、行基を遣わし祈願させると実際平癒したので、天平12年(741年)に創建されたと伝えるが、近年の発掘調査で、実際の創建年代は白凰時代末期(7世紀末)に遡ると判明した。
かつての寺名は栄興寺や養光寺であったが、江戸前期の万治年間(1658-1660年)に影向寺に改めた。
薬師堂は神奈川県指定有形文化財。また境内は影向寺遺跡として、橘樹郡衙跡とともに国指定史跡橘樹官衙遺跡群を構成する。
山門は仁王門。
薬師堂は江戸中期の1694年建立。神奈川県指定有形文化財。
太子堂は昭和60年建立。
影向石は寺名の由来となった霊石で、奈良時代の影向寺建立時に塔の心礎となった。