寒川神社
寒川神社は、神奈川県高座郡寒川町の、JR相模線の宮山駅より南へ徒歩7分に位置する、相模国一宮。戦前の社格は国幣中社で、現在は神社本庁別表神社。
創建年代は不詳だが、雄略天皇の代(在位457-479年)には既に朝廷より幣帛があった。
現在の祭神は寒川比古命と寒川比女命だが、過去には八幡神など諸説があった。寒川大神は何処からか相模に至り、芹沢(茅ヶ崎市内)に暫し滞在した後に宮原(藤沢市内、寒川社あり)に移り、更に現社地に至り長く留まったとする伝承もある。
美しく整備された境内には、平成期に造営された関東有数の規模の端正な社殿が並び、一国の一宮に相応しい様相を見せている。
一ノ鳥居はJR線の踏切脇にある [地図]。なお、参道脇には神奈川県水道記念館が整備されている。
神池橋は平成23年架橋。
手水舎は平成3年竣功。
南門は旧神門。昭和4年竣功。
神馬舎は昭和50年竣功。
神門は平成5年竣功。
客殿は平成4年竣功。
神木の杉2本には祭神の寒川比古命と寒川比女命が宿ると伝える。
社殿(拝殿含む)は平成9年竣功。拝殿は東西に翼廊と翼殿を持ち、更に写真のように外拝殿と内拝殿で前後に二重となっている。
この背後に祝詞殿と本殿が続くが、社殿脇の道(流鏑馬の馬場)もここからは神嶽山神苑(平成21年開苑の回遊式日本庭園)で、祈祷を受けた者のみ進めるため、良く見ることができない。
宮山神社は地域の神社を合祀した末社。
主な祭礼
寒川神社の年中行事として顕著なのは、国府祭、浜降祭、例祭である。
5月5日 国府祭
まず相模国一宮~五宮の神輿が大磯の神揃山に集い、寒川神社側と川勾神社側が座問答と言う名の無言の問答を行う(一般に流布している解釈では相武国一宮寒川神社と磯長国一宮川勾神社が国合併後の相模国においてどちらが一宮となるか応酬しているとするが、六所神社祭神・櫛稲田姫命を娶る先陣争いだとする説などもある)。その後、相模国総社六所神社からの神輿と一宮~五宮の神輿が神揃山麓の大矢場に集って神事を行い、退場する。神奈川県指定無形民俗文化財。
7月第3月曜日 浜降祭
海の日の夜明けに、茅ヶ崎の海岸に寒川神社ほか約40基の神輿が終結して海に入る。神奈川県指定無形民俗文化財。
9月20日 例大祭
前日19日に流鏑馬が行われる。20日には神事のほか各種奉納行事が行われる。
このほか多くの人出がある正月の初詣や節分の豆まき、正月8日に歩射を行う武佐弓祭などがある。
他社に移築された社殿
町内の倉見神社には、江戸期の本殿のほか、明治期の幣殿・拝殿が移築されている。
明治維新時の神仏分離まで、当社の別当寺は安楽寺が務めた。その他、神官社僧菩提所であった興全寺、供僧の西善院が現在も当社の周囲に残っている。