国府津の商家町
国府津の商家町は、神奈川県小田原市の、JR東海道線の国府津駅より徒歩1分の地に位置する、東海道沿いの商家町。主に関東大震災後に建てられたと思われる商家や町家が、比較的まとまって残り、うち2棟は国の文化財に登録されている。
神戸屋ふるや店の店舗及び主屋は昭和10年代の竣工で国登録有形文化財。当初はタクシー会社の車庫兼社屋として建てられた。
精進カフェマリアージュ(長谷川家住宅)の店舗及び主屋は昭和2年の、石蔵は大正5年の竣工で、ともに国登録有形文化財。かつては陶器店だった。
もちろん伝統的な町家や蔵もそれなりにある。
真楽寺
町並みの中心にある真楽寺は、真宗大谷派の寺院。正式には勧山信樂院眞樂寺。
飛鳥時代の推古天皇の代(593-628年)に聖徳太子が創建し、鎌倉時代の貞永元年(1232年)に当地に親鸞が立ち寄った際に、天台宗から改宗し真楽寺と改めたと伝える。
帰命(きみょう)堂は、帰命石(別名・名号石)を安置する堂で、昭和6年竣工のRC造。
帰命石は、外国から日本へ一切経を運んだ船の船底にあった石で、時々自ら動き声を発したので民が親鸞に相談したところ、親鸞は筆(指とも)で表面に名号を記し、以降は怪奇は収まったと伝える。
は親鸞手植えと伝える菩提樹は小田原市指定天然記念物。幕末の火災で燃えたが、切り株からひこばえが生えて現在に至るという。
道路向かいには、石造の勧堂(おすすめどう)がある。真楽寺の境外仏堂で、親鸞が説法した草庵跡と伝える。
真楽寺
神奈川県小田原市国府津3-2-22 地図