中山恒三郎家
中山恒三郎(なかやまつねさぶろう)家は、神奈川県横浜市の、市営地下鉄グリーンラインの川和町駅より南東へ徒歩10分の地に位置する古民家。
中山恒三郎家は江戸時代より酒類・荒物雑貨・呉服太物を商い、後には醤油製造や煙草・塩の販売などにも進出した豪商で、カネマン中山恒三郎商店を営んだ。また菊の栽培にも力を注ぎ、広大な菊園「松林甫(圃)」も造園した。
現在は廃業しており、主屋や工場の大部分も解体され現存しないが、書院や旧本店店舗、蔵の一部は残り、毎年秋に一般公開される。
書院(客殿)は明治23年竣工。皇族の迎接に備え建てられた。横浜市認定歴史的建造物。
主屋とともに、現在幼稚園舎が建つ位置にあったが、平成27年の主屋解体に際して現在位置に移され、松林庵と命名。
店蔵の築年は不明。横浜市認定歴史的建造物。
中山恒三郎商店では扱い品目別に店舗が分かれており、この店蔵は主力事業である酒類卸業の店舗(つまり本店)であった。
手前の空きスペースは醤油醸造工場跡。
諸味蔵には醤油醸造に必要な諸味を保存していた。築年は不明。
煉瓦造の麹室(こうじむろ)は醤油醸造工場内にあったが、工場は解体され麹室のみが残った。築年は不明。
八号蔵の築年も不明。敷地内にはかつては多数の蔵があった。
松林社(しょうりんしゃ)は、広大な敷地に祀られていた多数の神々を合祀したもの。