安房口神社
安房口(あわぐち)神社は、神奈川県横須賀市の、京浜急行本線の馬堀海岸駅より南西へ徒歩18分に位置する鎮守社。また京急久里浜駅・JR久里浜駅からバスが通じる。
社殿が無く、代わりに明神山(75m)山頂の霊石を神体として直接的に祭祀対象とする、原始的な祭祀形態を残す。この手の祭祀形態の神社が、大都市部でこの規模の社地を維持しているのは珍しい。
この霊石は、安房国(千葉県南部)より、安房神社祭神・天太玉命の霊代の石が東国鎮護のために飛来したと伝える。また石の凹みが安房国を向いているので安房口と呼ばれたと言う。景行天皇40~41年(西暦110~111年)に東征中の日本武尊もこの霊石を拝し、その東征の成就を祈ったと伝える。
なお、安房の洲崎神社に龍宮の乙姫から献ぜられた石2個があり、この石の凹みを利用して漱石としようとして掘らせると、石は震動し始め、とうとう一つは姿を消し、当地に飛来したとの伝承もある。
社殿は本殿も拝殿もなく、この霊石を直接拝礼する。
安房口神社の例大祭は8月上旬。