西勝院
西勝院(さいしょういん)は、埼玉県入間市の、JR八高線の箱根ヶ崎駅より北東へ車9分の地に位置する、真言宗豊山派の寺院。正式には宮寺山無量寿寺西勝院と号する。
奈良時代の神亀5年(728年)、行基が開基となり創建。天平13年(741年)に国ごとに最勝王院を設立した際、武蔵国の最勝王院となったと伝える(後述)。後世に西勝院となり、現・大弥堂(大御堂)より慶長10年(1605年)に現在地に移転。
他に大師堂もある。
境内は宮寺氏館跡として入間市指定史跡となっており、遺構である内堀跡と土塁も残る。
宮寺氏は、武蔵七党の村山党の武士で、鎌倉時代に宮寺郷の領主となって居館を構えた。
最勝王院
既述のように、天平13年(741年)に国ごとに最勝王院を設立した際、当寺が武蔵国の最勝王院となった、とするのは『全国寺院名鑑』の記載である。
一方、『入間郡誌』では、まず「武蔵野話」の、かつて国毎に一の最勝王院を造立し最勝王経を書写し納めたが武蔵国には痕跡がないがあるいは西勝院がそうではないか、との推測を引用したうえで、それに反論して、国ごとに建てた国分寺で最勝王経を書写させたことはあるが最勝王院を国毎に設けたことは聞いたことがない、としている。
なお、聖武天皇が全国に国分寺の建立を命じたのも天平13年である。
当社の割と近くには出雲祝神社がある。