越ヶ谷宿の商家
越ヶ谷宿は、埼玉県越谷市の、東武伊勢崎線の越谷駅より北へ徒歩8分の地に位置する、日光街道の宿場町。日本橋から3番目の宿場となる。
街道沿いに、町並みと言うほどまとまっては残っていないものの、ポツポツと伝統的な商家建築が残る。明治期に大火に見舞われたため、主に明治期以降のものである。
横田診療所
横田診療所は昭和10年竣工。旧越谷郵便局。
まちづくり相談処 油長内蔵
まちづくり相談処 油長内蔵(あぶらちょううちくら)は、油商であった旧山崎家(屋号は油長)の蔵を整備したもので、江戸末期の竣工。
(エリアガイドには不掲載)
木下半助商店
木下家は江戸時代からの商家で、明治以降は金物商を営んでいる。現在の建物は明治32年の大火後に再建されたもので、明治後期築の店舗及び土蔵、明治42年築の石蔵、大正6年頃築の主屋、明治42年築の稲荷社が国登録有形文化財となっている。
左から、主屋、米蔵、石蔵、土蔵、店舗。
小泉家住宅
木下半助商店の正面にある小泉家は、かつては屋号を塗師屋とする呉服商であった。旧店舗は明治32年の、土蔵は明治8年の竣工。
鍛冶忠商店
鍛冶忠商店は小泉家のほぼ隣にある、土蔵造の商家。
はかり屋
はかり屋は、旧大野家住宅を整備したもの。この大野家は最初は肥料店だったが、後に秤を扱い「はかりや」と呼ばれた。
明治38年竣工の主屋と、それ以前に建てられた蔵が国登録有形文化財となっている。この蔵もかつては街道側にあったが、曳屋して移動された。
会田金物店
会田金物店は明治38年頃の竣工で土蔵造。
稲荷家
稲荷家は昭和初期創業の鰻屋。
本のある蔵 糀屋
稲荷家の奥には、味噌醸造業で使用された、昭和前期竣工のRC造の蔵を利用した「本のある蔵 糀屋」がある。都築家糀屋蔵の名で国登録有形文化財。
市神神明社
市神神明社の本殿は、旧出羽尋常高等小学校(現・出羽小学校)に昭和3年頃に建立された御真影奉安殿を移築したものというが、あまり古くは見えないので建て替えられたものか。
なお、この本殿は、流造ながら神明造のように棟持柱がある、変則的なもの。