椿山荘
椿山荘は、東京都文京区の神田川沿い、東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅より徒歩8分、都電荒川線の早稲田駅よりは徒歩7分の地にある、ホテル椿山荘東京に併設された日本庭園。東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅より徒歩8分、都電荒川線の早稲田駅からなら徒歩7分の位置にある。
椿山荘の敷地は、江戸時代は久留里藩(千葉県君津市内)藩主黒田家の下屋敷であったが、明治時代に元勲である山縣有朋の邸宅となる。山縣は造園が趣味の1つで、自ら庭を設計したが、現在の椿山荘の庭園はその時に形作られた。大正時代には藤田財閥の藤田家が取得して別邸となり、さらに第二次世界大戦後はホテルとなった。庭園は公開されており、神田川沿いの遊歩道に入口がある。
山縣有朋邸時代の建物は、邸宅を含め、第二次世界大戦の空襲で焼失し残っていない。しかし戦前の藤田家別邸時代からの建物として、広島の竹林寺から移築された室町末期頃の三重塔(国登録有形文化財)が残る。
その他、終戦直後に移築された長松亭、木春堂、五慶庵、残草、中庵、無茶庵、残月、といった由緒ある建物が食事処に利用されている。
入口脇にある長松亭は、財界人で著名な茶人でもあった松永安左衛門が、昭和29年に築造した茶室。
長松亭と反対側の入口脇にある木春堂は、神奈川県足柄上郡にあった、東急電鉄グループ総帥五島慶太の田舎屋を戦後に移築したもの。
奥側の五慶庵は京都二条城前の三井邸より戦後に移築されたもの。
手前側の残草は古材で造営された建物。
また、写真には写っていないが、残草と木春堂との間の建物は中庵で、旧藤山雷太別荘にあった明治期築造の茶室であり、戦後に当地に移築。
入口から三重塔への道の途中には無茶庵がある。無茶庵(写真なし)は文京区の紅葉旅館にあった離れ。室町時代建造と伝え、当地へは戦後に移築された。
三重塔は国登録有形文化財。室町時代末期頃の建造で、戦前の藤田家別邸時代に、広島の竹林寺から移築された。
椿山荘はホタルを育てており、夏にはホタルが飛ぶ。
このほか、残月という大正中期に建造され、戦後に当地に移築された建物が国登録有形文化財である。残月は表千家茶室残月亭の写しで、箱根の藤田平太郎別荘にあったという。
近隣には関口芭蕉庵、肥後細川庭園 & 永青文庫、蕉雨園が近接する。