小網神社
小網神社は、東京都中央区の、東京メトロ日比谷線または都営浅草線の人形町駅より南西へ徒歩6分の地に鎮座する稲荷社。
室町時代の文正元年(西暦1466年)、小網稲荷大明神として現・日本橋小網町に創建。領主・太田道灌が土地を寄進して小網山稲荷院萬福寿寺と改めた。江戸初期には田所町、谷町と遷座し、正保元年(1645年)には浅草新寺町に遷座(寺は長壽院と改称)。明治維新後は小網稲荷神社と改め、明治9に旧地(現在地)に還座。さらに第二次大戦後、小網神社と改称。
狭隘な境内に社殿および神楽殿がコンパクトに収まる。
社殿および神楽殿は昭和4年建立。中央区民有形文化財に登録されている。
神楽殿は平面(敷地の形)が五角形という珍しいもの。
創建伝承
足利尊氏の将軍時代、恵心僧都という僧が当地に小庵を開き、萬福院と名付けた。
文正元年(1466年)、当地にて疫病が蔓延する中、海で網にかかった稲穂を携えた網師の翁が庵を訪れて数日過ごす。ある夜、庵主に恵心僧都が、網師の翁を稲荷大神と崇めれば疫病が終息すると夢告があり、目覚めると翁は既におらず。庵主は託宣を村人たちに告げ、翁を小網稲荷大明神として祀る神社を建てて祈ると、疫病は終息した。
例大祭は5月28日(土日の場合は翌月曜日)で、宮神輿の渡御は5年に一度。
特徴的な祭礼としては、11月28日(ただし当日が土曜の場合は27日、日曜の場合は29日)に新嘗祭の祭事として行われるどぶろく祭があり、濁酒が参拝者に振る舞われるとともに、みみずくのお守りが授与される。