東京海洋大学 越中島キャンパスの近代建築

東京海洋大学東京海洋大学の越中島キャンパス(海洋工学部)は、東京都江東区の、JR京葉線越中島駅に隣接してある教育機関。
明治8年設立の三菱商船学校に始まり、東京商船学校や東京商船大学等と変遷し、平成15年に東京水産大学と合併し東京海洋大学となった(後述)。
第二次大戦前の建造物5棟が国の文化財と登録されている。また、日本で現存唯一の鉄船である明治丸が国の重要文化財に指定されている。

戦前竣工の校舎など

1号館
東京海洋大学
 
東京海洋大学

1号館(旧東京高等商船学校本館)は昭和7年竣工。国登録有形文化財

旧天体観測所第一観測台
第一観測台

旧天体観測所第一観測台は、東京商船学校時代の明治36年竣工。日本で現存最古の天文台とされる。国登録有形文化財

旧天体観測所第二観測台
第二観測台

旧天体観測所第二観測台も、東京商船学校時代の明治36年竣工。日本で現存最古の天文台とされる。国登録有形文化財

先端科学技術研究センター
東京海洋大学

先端科学技術研究センターは、東京高等商船学校時代の昭和7年に図書館として竣工。国登録有形文化財

越中島会館
越中島会館

越中島会館(旧水産講習所本館)は昭和8年竣工。国登録有形文化財
水産講習所は東京高等商船学校とは別組織で、戦後に久里浜、更に品川に移転して東京水産大学となり、2003年の東京商船大学との統合後は東京海洋大学の海洋科学部(品川キャンパス)となった。

正門守衛所
東京商船大学
車庫
東京商船大学
東京商船大学
菅船長石像
東京商船大学

菅(かん)船長石像は昭和20年建立。

明治丸

明治丸は、明治7年(1874年)に英国で竣工し、翌8年に日本に到着。日本で現存唯一の鉄船であり、国指定重要文化財
船の構造材が木材→鉄材→鋼材と変遷する過渡期に、鉄製で完成。また、計画当初は水車船となる予定だったが、当時起こった技術革新の結果、スクリュー船となった。
灯台巡視船として建造され、明治9年には明治天皇の御召し船として北海道・東北地方巡幸にも使用された(このときの横浜帰港日の7月20日が「海の日」の起源)。
公開日にはガイドによる引率のもと、参観可。また明治丸記念館も公開される。

外観
越中島会館

完成時はマストは2本だったが、明治31年に3本に改造された。

甲板上
越中島会館
サロンと一等客船
越中島会館
御座所
越中島会館

明治天皇の御座所も保存されている。

越中島砲台跡

越中島砲台(越中島御台場)は、幕末の元治2年(1865年)頃、海防上の要請から完成した砲台。江東区指定史跡。
明治以降に損壊し、遺構は現存しないが、跡地は職員会館から旧水産講習所ポンド跡にかけてと推定されている。
このポンド跡は現在は明治丸の北側に広がる芝生の広場で、明治35年以前に築かれ、東京商船学校にも引き継がれたが、第二次大戦後に埋め立てられた。職員会館はこのポンド跡の東隣に立っている。

明治天皇聖蹟碑

学校の敷地外だが、明治丸の近くには、昭和18年に建立された明治天皇聖蹟碑がある。当地にあった練兵場での訓練を明治天皇が閲兵したことを記念したもの。

明治天皇聖蹟碑
明治天皇聖址碑

東京海洋大学越中島キャンパスの沿革

東京海洋大学は平成15年(2003年)に越中島の東京商船大学と港区港南の東京水産大学が合併して成立した。
東京商船大学の沿革は以下の通り。

  1. 明治 8年 - 私立の三菱商船学校として設立
  2. 明治15年 - 官立の東京商船学校に改組
  3. 明治35年 - 現在地に移転
  4. 大正14年 - 東京高等商船学校に改称
  5. 昭和20年 - 東京・神戸・清水の高等商船学校が高等商船学校に統合され、その東京分校となる(本校は清水)
  6. 昭和24年 - 新制国立大学である商船大学に改組
  7. 昭和32年 - 清水から東京に移転して東京商船大学と改称
  8. 平成15年 - 東京水産大学と合併し東京海洋大学に改組
東京海洋大学 公式HP
[明治丸] 時間:火木・第1・3土の10:00-16:00(10-3月は-15:00) 夏季・冬季も休 料金:無料
東京都江東区越中島2-1-6 地図
アクセス:JR京葉線 越中島駅すぐ
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