東郷神社
東郷神社は、東京都渋谷区の、JR山手線の原宿駅または東京メトロ千代田線・副都心線の明治神宮前駅より北へ徒歩5分に位置する神社。
元帥海軍大将東郷平八郎(1848-1934年)を軍神として祀る。
昭和15年の創建で、戦前の社格は東京府(東京都)の府社に列し、戦後は神社本庁の別表神社となっている。
東郷平八郎は日露戦争の戦功で、生前からすでに海軍内では神格化された存在であった。
当社は陸軍大将乃木希典を祀る乃木神社と対をなす神社と言える。
表参道の鳥居は令和2年建立。
この鳥居は、築地の水交社(海軍将校の親睦団体)にあった水交神社の鳥居。明治44年建造され、曲折を経て昭和56年に東郷神社に寄贈。
神門と廻廊はRC造で昭和39年建立。
手水舎は戦後建築だが木造で、少し変則的な形状。
社殿もRC造で昭和39年建立。正面に見えるのは拝殿で、本殿は見えない。
海の宮は祖霊社で、海軍・海事・水産関係者や崇敬者の諸霊を祀る。
境内には東郷平八郎邸跡より昭和23年に移築した土蔵があったが解体され、昭和59年に建て替えられた。外観を模していると言う。
東郷神社の戦前の社殿
戦災焼失する前の東郷神社の社殿は、木造・檜皮葺建築で、拝殿の左右に翼殿を伴う、独特の構成であった。以下に『東郷神社誌』(1984年、東郷神社刊行)から、戦前の写真を引用する。
なお、現在の社殿は戦前とは異なるが、構成はある程度踏襲している模様。平地からは確認できないが、グーグル・マップ上の航空写真で確認できる。
別格官幣社への昇格
『東郷神社誌』では、別格官幣社列格直前に社殿が焼失し列格はならなかったとも、別格官幣社への列格を申請したが音沙汰無いまま終戦、とも(別々の箇所に)書いてあり、実際のところどの程度、列格の見込みがあったのかは読み取れない。