代々木八幡宮
代々木八幡宮は、東京都渋谷区の、小田急線代々木八幡駅または東京メトロ千代田線代々木公園駅より北へ徒歩5分の地に位置する、代々木の総鎮守。
鎌倉時代の建暦2年(1212年)、霊夢とともに得た神鏡を神体に、鶴岡八幡宮を勧請して創建。当初は、西方400~500mの通称「元八幡」にあったが、江戸初期の寛文11年(1671年)に現在地に遷座。
境内は森の中に石畳が続き、その奥に第二次大戦の戦禍を免れた社殿が鎮座する。
参道は、森の中の石畳で、美しく整えられている。
拝殿は明治33年築。
本殿は明治5年の建立だが、RC造の覆屋内にあり、見ることはできない。
境内は縄文中期の代々木八幡遺跡であり、渋谷区指定史跡となっている。茅葺の竪穴式住居が1棟、復元されている。
境内には、縄文人の生活の様子を示した実物大の模型が展示されている。
当社の本社神輿は9月の例大祭において不定期に渡御する。
代々木四丁目町会の神輿は八棟造(八棟造の神輿はまあまあ珍しい)。
上原一丁目敬神会の神輿は、屋根が蕨手で構成された異形の神輿。
代々木八幡宮と穴八幡宮
当社に伝わるある伝承では、創建時に霊夢で得た神体の神鏡は室町末期に野盗に盗まれたが、起こった怪異を恐れた野盗は神体をある穴に投げ捨てた。これを住民が祀ったのが穴八幡宮だ、というものもある。
例大祭
代々木八幡宮の例大祭は9月22~23日(日程固定)。本社神輿は不定期で渡御する。境内では里神楽などが奉納され、露店も多く出店する。この行事に関する詳細は「代々木八幡宮 例大祭」の記事を参照。
例大祭の他の特徴的な祭礼としては、2月のもちつき大会と5月の金魚まつりがある。
もちつき大会は2月1日開催で、地域で伝承されている代々木もちつき唄を歌いながらの餅つきが行なわれる。
金魚まつり(正式には五社宮祭)は5月第4日曜日の開催で、子どもたちによる金魚みこしの渡御が行われ、境内には模擬店が出る。かつては金魚の露店商が大国魂神社の暗闇まつりからの帰路に五社宮祭で残り荷をさばいて賑わったのを、平成になって再現したもの。
明治の神仏分離までは、隣の福泉寺が当社の別当寺であった。