慶元寺
慶元寺(けいげんじ)は、世田谷区の、小田急小田原線の喜多見駅より南東へ徒歩19分の地に位置する、浄土宗の寺院。
正式には永劫山華林院慶元寺。
文治2年(1186年)、江戸城を最初に築いた桓武平氏江戸家の菩提寺として、江戸城紅葉山に天台宗の東福寺として創建。太田道灌に江戸城を追われた江戸氏は喜多見に移ったが、それに伴い当寺も応仁2年(1468年)に喜多見に移転。天文19年(1540年)に浄土宗の慶元寺に改められた。
杉並木の参道の奥には江戸期築の諸堂のほか、木造三重塔や喜多見家(江戸家)の墓所もある。
山門は江戸中期の1755年建立で、かつては喜多見陣屋の門であったとも伝える。鐘楼は1759年建立。
本堂は1716年建立。
木造の三重塔は平成5年建立。
喜多見家(江戸家)墓所は世田谷区指定史跡。江戸城を最初に築いた江戸家は後にこの地に追われ、江戸時代には旗本となって喜多見家に改姓し、徳川綱吉の代には大名にもなった。その陣屋の一端に慶元寺はあったが、喜多見家が元禄2年(1689年)改易され、陣屋跡は消滅した。
慶元寺に隣接して喜多見氷川神社がある(なお、慶元寺は喜多見氷川神社の旧別当寺ではない)。
慶元寺 喜多見不動堂
喜多見不動堂は、世田谷区の、小田急小田原線の成城学園駅より西へ徒歩9分の地に位置する、慶元寺の境外仏堂。明治9年に創建され、昭和16年に慶元寺の境外仏堂となった。
湧水による滝ではかつて信者が水行した。滝不動が祀られている。
本堂は明治9年築。
本堂脇には小規模な洞窟があり、岩屋不動が祀られている。