祥雲寺
祥雲寺は、東京都豊島区の、東京メトロ有楽町線・副都心線の要町駅より東へ徒歩3分の地に位置する、曹洞宗の寺院。
山号は瑞鳳山。
天文元年(1532年)、江戸城(当時は後北条氏の支城)の和田倉門内に浄光院として創建。天正18年(1590年)頃に神田駿河台に、次いで慶長3年(1598年)に小日向金杉村(現・荒川区日暮里)へと移転。宝永6年(1709年)に祥雲寺と改称。寛永13年(1636年)に戸崎台(現・文京区白山)に、そして大正4年に現在地へと移転した。
境内には、伏見宮家別邸から移築した建物が、別邸として現存する。
山門は江戸期の建立。
本堂は昭和56年建立。
本尊は薬師如来。
墓地には、長野県松本市周辺にあった松本藩の藩主戸田松平家の墓所がある。規模はかなり縮小されているものの、大型の墓石が並ぶ。
別邸
祥雲寺のHPによると、当寺の諸堂は昭和9年にほぼ全焼し、翌10年、中野坂上にあった伏見宮家別邸から、同家の兄弟が使用していた2つの和館と洋間の計3棟を移築し、そのうち東御殿(和館と洋間)を仮本堂に、西御殿(和館)を方丈に使用したという。そして現在、東御殿は別邸と呼ばれ本堂の東隣りに残るが、西御殿は伊勢原市の勝興寺に再移築されて客殿になっている、とする。
『豊島の寺院』には、明治初期建造の東伏見宮邸の一部を昭和11年移築した、とあるが、これは誤りということだろう。