大沢の里
大沢の里は、東京都三鷹市の、西武多摩川線の多磨駅より東へ徒歩18分の地に位置するエコミュージアム。
当地で水車を経営していた農家やワサビ栽培・養蚕を手掛けていた農家の家屋が保存されており、水田も設けられて三鷹の農村風景を再現している。
また国分寺崖線の雑木林には出山横穴墓群があり、うち8号墓は自然観察路沿いに公開施設が整備されている。
大沢の里の中央を野川が走る。かつてはこの川沿いに水車が経営されていた。
水田や、ホタルを発生させるための水路も整備されている。水田の向こうに見える雑木林が国分寺崖線。
古民家
「古民家」はワサビ栽培・養蚕を手掛け、水車も経営していた農家の旧宅。
裏庭には、背後の国分寺崖線からの湧き水で作るワサビ田も保存されている。
旧箕輪家住宅主屋。明治35年竣工だが、昭和25~55年頃の状況に復元してある。三鷹市指定有形文化財。
出山横穴墓群
この一帯の国分寺崖線には7~8世紀に築かれた横穴墓が多数ある。大沢の里の国分寺崖線には出山横穴墓群(でやまおうけつぼぐん)があり、うち8号墓は自然観察路沿いに公開施設が設けられている。
7世紀中期に築造された出山横穴墓群8号墓は玄室をガラス越しに観覧できる。東京都指定史跡。
玄室内には人骨のレプリカが配置されている。
水車経営農家
水車経営農家は、旧峯岸家住宅(旧峯岸水車場)を整備したもの。
ここの水車は1808年頃に創設され、1817年から昭和43年(1968年)頃の野川の河川改修まで峯岸家が運営してきた。
敷地には江戸期から昭和期にかけての建造物が残り、東京都指定有形民俗文化財及び日本機械学会機械遺産認定となっている。
左から製粉小屋、水車小屋、物置。製粉小屋と水車小屋は昭和43年河川改修以降の、物置は大正末期頃の竣工。
母屋は江戸後期に当たる1813年頃の竣工。
水車小屋内の水車装置は新車(しんぐるま)と通称される。江戸後期の1808年頃に創設され、改造を繰り返した。
現在の水輪(回転する輪)は平成21年度に取り付けられたもの。
カッテは大正15年竣工。
土蔵は明治14年竣工。
なお、都の文化財指定の際の員数は「建造物4棟(母屋、カッテ、土蔵、物置)、水車装置、水車用水路跡、さぶた・排水口跡、通水橋」となっている。
水車用水路跡は物置・水車小屋付近に、さぶた(水量調整の仕切り板)・排水口跡は物置の北側に、通水橋は庭の隅に石造欄干が残されている。