稲毛浅間神社
稲毛浅間神社は、千葉県千葉市の、京成千葉線の京成稲毛駅より西へ徒歩3分、またはJR総武線の稲毛駅より西へ徒歩12分の地に位置する鎮守社。
県都かつ政令指定都市である千葉市の代表的な神社の一つ。
平安初期の大同3年(808年)、富士山本宮浅間大社から勧請。文治3年(1187年)には境内を富士山にならった山形に整え、参道も富士山の参詣道と同様に三方に設け、社殿は東京湾対岸の富士山を望むように建立された。
境内及び近隣に広がる美しい松林は、埋め立て前の海岸の名残りである。
社前の国号14号線の道路反対側には、神社を望むように鳥居が立つ。
神門は平成26年建立。この神門の手前を左折すると、八坂神社、大宮神社、稲荷神社などの境内社がある。
中央に見える庇の下に手水舎がある。
社殿は昭和41年にRC造で再建。拝殿・幣殿・本殿を連結した権現造だが、拝殿背後の本殿は見えない。
駅方面へと通じる裏参道沿いには小御嶽神社、厳島神社、小室神社・若宮社・香取神社などが鎮座する。
池に浮かぶ厳島神社は、裏参道鳥居近くにある。
当社境内及び隣接する稲毛公園の丘陵上には美しい松林が広がり、「稲毛の松林」として千葉市指定名勝となっている。
埋め立てが進むまでは当社は海の至近距離にあり、この松林はその当時の名残りである。
夏の大祭
7月14~15日(曜日に関わらず日程固定)に催される例大祭(夏の大祭)は当社で最大の祭礼で、周辺では「せんげん通りまつり」が開催され、多くの人出がある。この時参拝すると、一年間毎日参拝したのと同じ御利益があるとされる。
期間中に奉納される十二座神楽は1504年に九州から伝わったもので、千葉県指定無形民俗文化財に指定されている。
日本神話と当社の縁起
当社の縁起では、天孫たる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと、当社の配神)は高天原から天降って日本の国主と成ったものの、東国の神々は猛かったため、鎮圧のために経津主命を香取地方に、天児屋根命・武御雷命を鹿島地方に遣わした(香取神宮と鹿島神宮)。しかしそれも覚束なかったため、木花咲耶姫命(当社の主祭神)が輝きながら稲毛山に飛来して鎮まると、それ以来、東国も恙なく治まったとされる。
なお、日本神話において、木花咲耶姫命は瓊瓊杵尊の配偶神であり、二人のひ孫が人皇初代・神武天皇となる。
当社の周辺には他に、旧神谷伝兵衛稲毛別荘、愛新覚羅溥傑仮寓、千葉トヨペット本社(旧日本勧業銀行本店)がある。