飯沼観音(円福寺)
飯沼観音(円福寺)は、千葉県銚子市の、銚子電鉄の観音駅より北へ徒歩4分、またはJR内房線の銚子駅より東へ徒歩17分の地に位置する、真言宗系の単立寺院(平成期に智山派から独立)。正式には飯沼山金照院圓福寺。
奈良時代の神亀5年(728年)、当地の漁師が霊夢に従い海で十一面観音を引き上げ、草庵に安置したのが草創で、天平年間(729-749年)には行基が厨子を奉納。平安時代の弘仁年間(810-824年)、東国巡錫中の弘法大師空海が開眼供養。
坂東三十三観音霊場の第27番札所として古くから栄えた。
なお、本坊は本堂から200m南方(徒歩3分)離れている。また犬吠埼には奥ノ院の犬吠埼観音(満願寺)がある。
山門は昭和46年建立。
観音堂(本堂)も昭和46年建立。
本尊は十一面観音。
阿弥陀如来である銚子大仏は1711年造立。
五重塔は平成21年建立。
この他、稲荷堂や文殊堂といった小堂がある。
飯沼水準原標石は明治5年、日本における河川の水位の原点として設置。土木学会選奨土木遺産。
境内を接する銚港神社は、明治維新の神仏分離まで、龍蔵権現と称して飯沼観音と一体的に信仰されていた。
本坊
飯沼観音円福寺の本坊は、現在は観音堂(本堂)から南へ約200m(徒歩3分)離れているが、江戸初期までは地続きの境内であった。
大師堂は江戸後期の1841年建立。
涅槃殿(宝物殿)には、日本最大級とされる刺繍涅槃図(1669年製作、千葉県指定文化財)が収蔵されており、毎年2月15日に公開される。
龍神堂(龍王殿)内には龍神像が安置されている。
これは国木田独歩の父が乗っていた播磨国龍野藩の御用船「神龍丸」の船首の像という説と、沖に漂流していた像で外国船の船首のものという説がある。
奥に見える小堂が地蔵堂。
飯沼観音(円福寺) 本坊
千葉県銚子市馬場町293 地図