鷲山寺
鷲山寺(じゅせんじ)は、千葉県茂原市の、JR外房線の茂原駅より西へ車6分の地に位置する日蓮宗の寺院。
山号は長國山。
法華宗本門流の四大本山の一(他の大本山は京都市の本能寺、尼崎市の本興寺、沼津市の光長寺)。
法華宗本門流は、日蓮・法華宗諸派のうち、勝劣派に属する八品派という門流(隣の藻原寺は勝劣派と対する一致派)。
文永元年(1264年)、宗祖日蓮は笠森観音に参籠後、鷲巣の豪族・小早川内記と出会ってその居館(現・鷲山寺)で一夏九旬の90日間説法教化を行い、建治3年(1277年)には直弟子の日弁上人に鷲山寺を創建させた。
開山堂は昭和29年に本堂として建立され、令和2年の新本堂建立とともに開山堂となった。
位牌堂は旧開山堂。
両側面に軒唐破風がある、少し変則的な仏堂。
新本堂はこの石段上に再建された。
本堂(祖師堂)は令和2年建立。昭和29年に焼失するまで、本堂はもともと山上にあった。
歴代墓所の更に上には日蓮像と祠がある。
鷲神社
鷲山寺に隣接する鷲(おおとり)神社は、祭神・日本武尊が東征中、鹿野山を経て鷲巣山頂で休んだ際、その鎮護のために創祀されたと伝える鎮守社。鷲巣山の山頂には、日本武尊の遺跡という日之宮なる古石が残ると言う。なお、日之宮は日輪勧請の小祠として鷲山寺の縁起にも登場する。
後世には妙見菩薩(天御中主神)を合祀し、鷲(宮)大明神と称された。
文永2年(1265年)に日蓮が当地に庵を結んだ際には既にあり、建治3年(1277年)の鷲山寺開山とともにその管理下に入ったが、明治維新時の神仏分離で独立。
なお、元禄2年(1689年)に創建されたとの異伝もある。
明和3年(1771年)に当社を、江戸浅草の長国寺に勧請したのが現・浅草鷲神社と伝える。
現在の祭神は天日鷲神、日本武尊、大日孁貴命など。
東隣りには藻原寺がある。