藻原寺
藻原寺(そうげんじ)は、千葉県茂原市の、JR外房線の茂原駅より西へ車6分の地に位置する日蓮宗の寺院。
山号は常在山。
日蓮宗49本山の一つ(日蓮・法華宗諸派のうち教団「日蓮宗」には、総本山久遠寺の下に、七大本山と49本山があり、これらをあわせて57本山とも称する)。
建長5年(1253年)、笠森観音堂に参籠中の宗祖日蓮を、茂原の豪族の齋藤兼綱らが観音の霊夢に従って自邸に招き、最初の帰依者となり、斎藤邸に仏堂が作られ榎本庵と命名された。建治2年(1276年)には寺を建てて常楽山妙光寺と号した。後醍醐天皇の代(1318-39年)には山号を常在山に改めた。またいつしか藻原寺と通称されるようになったが、明治元年に公称とした。
二世・日向上人(実質的な一世だが、当寺では宗祖日蓮を開山に当てている)が、総本山久遠寺と藻原寺の住職を長く兼務したゆえ、東身延とも称された。
総門の手前にある寺号碑は、西町水道の旧貯水塔。
西町水道は、大正9年に藻原寺裏の水源から引かれた。この旧貯水塔は同年の建造で、煉瓦造・モルタル塗。
総門は大正7年改築。
多宝塔型のRC造の山門は昭和8年建立。
一対の仁王像が収まる。
大堂(祖師堂、本堂)は1703年建立。
宗祖日蓮を祀る。かつては祖師堂は、本堂の西隣りに立つ別の建物だった。
大堂の向拝の彫刻は波の伊八(二代目)の作で市の文化財。
華経殿は、華経坊日徳尊儀を当寺の守護神として祀り、建治2年(1276年)に創建。
建物は旧番神堂(建て直されているかも)。
華経坊は日蓮の守護神で、身延山では妙法様、当山では華経坊様と呼称。当山20世日逞聖人の代には天狗の姿で現れ当山の守護を誓った。
仏殿は複合仏堂で、釈迦如来と多宝如来を祀る。
書院は18世紀後半の建立。
鐘楼堂は1688年建立。
鼓楼も江戸期の建立。
開基堂は、当寺の開基である齋藤兼綱を祀る。
裏山に立てる予定の日蓮像は、現在、頭部のみ公開。完成すれば高さは20m(台座込で32m)となる予定。
大堂・華経殿・仏殿・書院は彼岸橋(廻廊)で結ばれている。
仏殿の裏には彼岸池がある。
成家日殷稲荷大明神や伏見稲荷大明神などの小祠もある。
茂原公園
藻原寺の背後には昭和10年開園の藻原公園があり、桜の名所として知られる。
弁天湖には茂原弁財天を祀る弁天堂がある。
弁天堂は同12年創建で、現在の堂は平成9年建立。
RC造の地蔵堂は昭和14年建立。
奥ノ院
隣町の長南町には、藻原寺の奥ノ院である向尊殿がある。
ここは当山第二世・日向上人(実質的な開山)の隠居地。
茂原八幡神社は、明治維新の神仏分離で、藻原寺境内にあった三十番神堂を遷座した社。
当社は(壽永3年(1185年)創建と伝え、当初は他所(上茂原)にあったが、後に藻原寺境内の三十番神堂に合祀されていた。
西隣りには鷲山寺がある。