王子稲荷神社は、東京都北区の王子駅(JR・東京メトロ南北線・都電荒川線)より北へ徒歩5分の地に鎮座する稲荷社。江戸時代に大いに繁栄し、関東の稲荷の総社を文京区の妻恋神社とともに名乗った。当社に関する詳細は王子稲荷神社の記事を参照。
王子稲荷神社の特徴的な祭礼としては、元旦に催される王子狐の行列と、2月の午の日に立つ凧市がある。
王子 狐の行列
江戸時代には大晦日に関東一円から集まった狐が、近くの現・装束稲荷神社(後述)近くにあったというエノキの下で装束を整えて王子稲荷神社に参詣するという伝承があった(なお、北区の刊行する資料ではエノキだとしているが、妻恋神社との訴訟での幕府の裁決文を読むと松と記してある)。この伝承に基づき平成5年(1993年)より、元旦に狐に仮装した一行が装束稲荷から王子稲荷まで行列する「王子 狐の行列」が催されるようになった。
行列の一行が王子稲荷神社に到着すると、神楽殿では神事が行われ、その後、お囃子や獅子舞が奉納される。
元旦なので、当然このイベントとは別に初詣客も列を作っている。
狐の行列のルート
大晦日には、装束稲荷でかがり火「年越しの儀」、鏡割り式、祝舞「狐剣舞」の奉納などがある。狐の行列は新年の到来とともに装束稲荷を出発し、権現坂で提灯交換の儀を行い、王子稲荷に到着すると「新年の儀」を執り行う。その際、神楽殿では王子狐囃子や獅子舞が奉納される。下の地図の朱線が行列のルートである。
プレ狐の行列?
以下の写真は12月上旬にたまたま王子稲荷神社に参拝した折、出くわした狐の行列。本番と比べて小規模だったが、仮装などはなされていた。