龍口寺
龍口寺(りゅうこうじ)は、神奈川県藤沢市の、江ノ島電鉄の江ノ島駅または湘南モノレールの湘南江の島駅より南東へ徒歩3分の地に位置する、日蓮宗の名刹。山号は寂光山。
日蓮宗49本山の一つ(日蓮・法華宗諸派のうち教団「日蓮宗」には、総本山久遠寺の下に、七大本山と49本山があり、あわせて57本山とも称する)。
鎌倉時代の文永8年(1271年)、宗祖日蓮は幕府や他宗を批判したため当地において斬首刑に処されそうになったが、飛来した光の玉が邪魔をして出来なったとされる。この龍ノ口法難の霊跡に、南北朝時代の延元2年(1337年)、当寺が創建された。
境内は寺格に相応しい寺観が整っている。
RC造の仁王門は昭和48年建立。仁王門の左方には龍口刑場跡がある。
山門は幕末の1864年建立。藤沢市指定重要文化財。
手水舎は1867年建立。国登録有形文化財。
大本堂は江戸後期の1832年建立。藤沢市指定重要文化財。
妙見堂は1720年建立。国登録有形文化財。
龍ノ口法難で日蓮が入った土牢。中には日蓮像が安置されている。
鐘楼は千葉県市川市の中山法華経寺に明治14年に建立され、当寺へは昭和44年移築。国登録有形文化財。
大書院は寺のHPによると、長野市松代で蚕糸業を営んだ窪田家が明治元年に建てた蚕糸御殿を昭和10年移築。『鎌倉史跡散策』は松代の養蚕御殿(旧松代藩邸)を移築したとする。また国登録有形文化財の答申書では昭和7年建立とある。
仏舎利塔は昭和45年建立。
五重塔は明治43年建立。藤沢市指定重要文化財。
龍口法難会
龍ノ口法難では、日蓮は文永8年(1272年)の9月12日に捕らえられて龍ノ口へ連行され、翌13日に斬首されそうになるが免れる。この法難を記念して、毎年9月11~13日には当寺において龍口法難会の名で一連の法要が催される。
特に12日の夕刻からは万灯練り供養が行われる。また12日18時と13日0時の法要後にはぼたもち撒きが堂内で行われるが、これは日蓮が龍ノ口に連行される途中に尼がぼたもちを献じた故事に因む行事。