平塚八幡宮
平塚八幡宮は、神奈川県平塚市の、JR東海道線の平塚駅より北へ徒歩10分に位置する、平塚の鎮守。
相模国五宮で、相模国の一国一社八幡宮。戦前の社格は県社に列し、現在は神社本庁の別表神社。
仁徳天皇68年(西暦380年)、当地で大地震があったので、天皇が勅で父・応神天皇を祀って創建。八幡社の総本社である宇佐神宮の創建は欽明天皇32年(西暦571年)とされるので、伝承上の八幡宮創建年代としてはかなり古い(ただし八幡社は全国に膨大な数があるので、こうした縁起を作った社もそれなりにある)。
聖武天皇の代(在位724-749年)には相模国の一国一社八幡宮となった。
当社が相模国の国府八幡宮であるとの説もある。また『大磯町史』は、大住国府時代(相模国府の所在地は不明で、変遷について幾つか説がある)に相模国総社であったとも推測している。
東御池には鶴峯山稲荷社が祀られている。
西御池には平塚弁財天社が祀られている。
神厩舎は令和2年建立。皐月という名の神馬が飼われている。
社殿は拝殿・幣殿・本殿を連結した権現造。昭和3年建立。
境内社のうち若宮社は、応神天皇の皇子であった仁徳天皇を祀る。
太子堂は聖徳太子を祀る。
宮神輿
境内の神輿庫に収められている宮神輿は、ガラス越しに拝見することができる。
平塚八幡宮本社の宮神輿は幕末の1863年製作。5月5日の相模国府祭や8月15日の例大祭で渡御。
境内社若宮社の宮神輿は昭和10年製作。若宮社の例祭日である8月16日に渡御。
5月5日の相模国府祭において、神揃山の神事で使用される御霊神輿は白木造・切妻屋根。昭和16年製作。
相模国府祭
国府祭(こうのまち)は、5月5日に大磯町の相模国総社・六所神社とその周辺で催される神事で、国司が相模国の平和と豊作を祈願したものと推測される。有名な座問答の意味も、現在は一宮争いの説が有名となっているが、実際には現在は意味が失伝しており、一宮争い説も諸説ある推測のうちの一つである。
この祭礼には相模国の一宮から五宮と総社の計6社が参加するが、平塚八幡宮も五宮(格)として参加する。ただし、享保年間(1716-1736年)の神事前山端午祭場古図では、平塚八幡宮の代わりに現・茅ヶ崎市の鶴嶺八幡宮が参加しているという。
近くには旧横浜ゴム平塚製造所記念館や平塚市博物館がある。