建長寺
建長寺は、神奈川県鎌倉市の、JR横須賀線の北鎌倉駅より南東へ徒歩14分の地に位置する、臨済宗建長寺派の大本山。鎌倉五山第一位。
またユネスコ世界遺産暫定リスト「武家の古都・鎌倉」(イコモスに不登録勧告され推薦取り下げ)の構成資産であった。
開基を第5代執権北条時頼、開山を蘭渓道隆として建長5年(1253年)創建。
広大な境内は国指定史跡で、大本山に相応しい伽藍を擁し、うち山門、仏殿、法堂、唐門、西来庵昭堂は重要文化財。蘭渓道隆作または夢窓疎石作ともされる庭園も国の名勝に指定されている。
総門は京都・般舟三昧院に1783年に建立された中門を昭和15年移築。なお、『神奈川県の近世社寺建築』は、般舟三昧院の前は桜町上皇御所の門だったとの伝を載せる(ただし他書には見えない)。
三門(山門)は1775年築。国指定重要文化財。
仏殿前のビャクシンの植栽は蘭渓道隆が宋から携えた種を植えたものと伝え、8株が鎌倉市指定天然記念物となっている。国指定名勝「建長寺庭園」の構成要素の一つ。
仏殿は、江戸増上寺にあった崇源院(二代将軍徳川秀忠の夫人)の霊牌所を1647年に建て替える際、その旧殿を移築したもの。国指定重要文化財。
法堂は1814年築。国指定重要文化財。
法堂内にある華厳小宝塔は平成20年建立。
大庫裏は平成4年築。
方丈唐門(勅使門)も仏殿と同様、江戸増上寺の崇源院霊牌所を1647年に建て替える際、その旧殿を移築したもの。国指定重要文化財。
方丈(龍王殿)も総門と同様、京都・般舟三昧院の宸殿(1732年築)を昭和15年に移築。
方丈裏の池泉庭園は、国指定名勝「建長寺庭園」の構成要素の一つ。蘭渓道隆作とも夢窓疎石作とも伝える。
鐘楼は江戸中期築。
震災追憶供養塔は昭和5年建立。
半僧坊
境内最奥の勝上岳に鎮座する半僧坊は建長寺の鎮守で、天狗である半僧坊大権現を祀る。霊夢に従い明治23年に浜松市・方広寺から勧請。半僧坊一帯は建長寺の奥ノ院とも呼ばれる。
塔頭(子院)
建長寺には現在12院の塔頭が残る(山内は9院)。
正統院
天源院
門前の道路向かいに鎮座する第六天神は、明治維新時の神仏分離までは、当寺の鎮守社であった。