岩殿寺
岩殿寺(がんでんじ)は、神奈川県逗子市の、JR横須賀線の逗子駅より北西へ徒歩15分の地に位置する、曹洞宗の寺院。
正式には海雲山護国院岩殿寺。坂東三十三観音霊場第二番札所。
養老5年、大和長谷寺開山徳道が当地で瑞光を発する峰を見つけそこで読経すると岩肌に十一面観音が影向。また麓から熊野権現の化身の翁が登り現れ当地が観音の霊場と告げたので、熊野権現を祀る社を建て鎮守とした。養老6年、行基が来て瑞光を見て当山に登り、影向を拝して十一面観音像を彫り安置した。ゆえに、当寺は両者を開基とする。
古くは山号を海前山とする真言宗寺院であったが、天正19年(1591年)の中興時に曹洞宗となり、山号を海雲山に改めた。
急な山肌に造営された伽藍を有する。
山門前の参道沿いには、坂東三十三観音霊場御詠歌の碑が並ぶ。
納経所背後の一段高くなった所に本堂がある。本尊は十一面観音。
利生堂(納経堂)は八角堂で、幸福観音が安置されている。
観音堂は1728年建立。逗子市指定重要文化財。
十一面観音像を安置する(寺としての本尊は、ここではなく本堂に安置されている)。
観音堂背後の奥ノ院には、行基が彫った石造十一面観音がある。
創建伝承にも現れる熊野権現を祀る。
手前の鏡花池は、作家・泉鏡花が寄進。
爪掘地蔵尊は、弘法大師空海が、手足を痛めた信者のために自らの爪で掘ったものと伝える。
真下に見えるのは鐘楼で、その下に本堂、更に納経所、と続く。
逗子駅付近には他に法性寺などがある。