安国寺
安国寺は、埼玉県越谷市の、東武伊勢崎線のせんげん台駅より北東へ徒歩17分の地に位置する浄土宗の寺院。
通常、武蔵国の安国寺と言えば東京都府中市の高安寺だとされるが、この越谷の安国寺にも武蔵国の安国寺だとの伝がある(後述)。
安国寺と利生塔とは、南北朝時代に足利尊氏・直義が、国分寺に倣って国ごとに一寺ずつ建立または指定した寺院。
武蔵国安国寺の伝承
越谷の安国寺の沿革に関する伝承は以下のようなものである。
当寺は鎌倉時代、出家した熊谷直実が結んだ草庵が草創で、室町時代の暦応年間(1338-1342年)に足利尊氏が国ごとに安国寺を定めた際、当寺もその一つとなり安国寺と改めた。後に衰退したが、長禄年間(1457-1460年)に紀伊熊野地大泊村安国寺住職の誠誉専故が中興した。
なお、専故上人が故郷の安国寺の寺号を移したとも、市内間久里にあった寺がいつの頃にか移転したとも言われる。