狭山不動尊(不動寺)
狭山不動尊(不動寺)は、埼玉県所沢市の、西武狭山線・山口線の西武球場前駅より南西へ徒歩3分の地に位置する、天台宗の別格本山。
昭和50年(1975年)、西武鉄道グループが創建。
関西圏及び東京から由緒ある建物が数多く移築されており、うち東京港区の旧徳川家霊廟から移築した勅額門・丁子門・御成門は重要文化財。
勅額門は、東京都港区の増上寺(の隣)にあった台徳院(第2代将軍徳川秀忠)霊廟の跡から移築。霊廟入口にあって後水尾天皇の勅額を掲げた門で1632年築。国指定重要文化財。
霊廟は空襲で焼失し跡地はプリンスホテルとなり、焼け残った勅額門・御成門・丁子門は当寺に移築され、旧地には惣門が残る。
御成門も、増上寺台徳院霊廟の跡から移築。将軍の参詣用の門で1632年築。国指定重要文化財。
総門は長州藩毛利家の江戸藩邸の門を移築。
本堂を囲む石灯籠も増上寺の徳川家霊廟跡より移設。
第一多宝塔は大阪府高槻市の畑山神社より移築。1555年建立と伝える(1607年の墨書あり)。埼玉県指定有形文化財。
この宝塔も、桂昌院(3代将軍家光の側室で5代将軍綱吉の生母)霊廟の宝塔を増上寺の徳川家霊廟から移築。
丁子門も、増上寺台徳院霊廟の跡から移築。崇源院(秀忠夫人)霊牌所への通用門で1632年築。国指定重要文化財。
弁天堂は彦根市・清凉寺の経蔵を移築。17世紀後半建立の六角堂。
第二多宝塔は、兵庫県加東市・椅鹿寺に1435年に建立されたもの。
大黒堂は天理市・極楽寺にあった柿本人麻呂の歌塚堂を移築。
羅漢堂の山門は、東京虎ノ門にあった生糸貿易商・田中平八郎邸より移築。
羅漢堂は、東京港区の井上馨邸に、東大寺二月堂の経堂を模して明治28年築。周囲には増上寺徳川家霊廟から移した銅灯篭約80基が並ぶ。
桜井門は、奈良県五條市・桜井寺の山門を移築。
この石灯籠群も、増上寺の徳川家霊廟跡より移設。
近くには山口観音(金乗院)がある。