和楽備神社
和楽備(和樂備、わらび)神社は、埼玉県蕨市の、JR京浜東北線の蕨駅より西へ徒歩10分の地に位置する、蕨の総鎮守。
室町時代に足利家一門の渋川氏が蕨城を築いた際、その守護神として八幡神を祀って創建。江戸時代には蕨宿鎮守三社の上ノ宮・八幡社として、中ノ宮・氷川社、下ノ宮・氷川社と共に崇敬を受けた。明治44年、蕨宿鎮守三社を含めた18社を合祀し和楽備神社と改称。
境内は市の中心的神社に相応しく整えられている。
一ノ鳥居前の太鼓橋は大正11年築造。かつてはこの下を水路が流れた。
手水舎の水盤は江戸初期製作。寛永寺由来と伝え、明治期には東京上野で豆腐屋の水槽として使われていたものを移設。蕨市指定有形文化財。
参集殿は平成26年竣工。
拝殿含む社殿は平成9年建立。
神池は、蕨城の水堀(御殿堀)の遺構。
隣接する蕨城址公園は、室町時代に足利氏渋川家が築いた蕨城の本丸跡であり、埼玉県指定旧跡となっている。蕨城は戦国時代に廃城となったが、江戸時代には徳川家康が城跡に鷹狩の御殿を築いた。
末社稲荷社の本殿は上ノ宮・八幡社の旧本殿で、江戸中期の建立。蕨市指定有形文化財。
天神社の本殿は宮田天神社の旧本殿で、江戸前期の建立。蕨市指定有形文化財。
神楽殿は昭和23年建立。旧外神楽殿。
神社会館は、第一蕨尋常高等小学校(現・蕨北小学校)に大正11年に竣工した校舎の一部を昭和32年に境内に移築し、更に同60年に縮小改築したもの。
乃木希典像は昭和11年に第一蕨尋常高等小学校(現・蕨北小学校)に建立され、昭和32年に移設。
神輿殿は江戸末期に上ノ宮・八幡社の拝殿として明治27~28年頃に建立。
当社の前身となった社の宮神輿。
三ケ町神輿庫は、塚越にあった稲荷社の本殿覆屋を移築したもの。
例大祭
和楽備神社の例大祭は、例祭の神事は10月15日で、中旬の週末には神輿が渡御し、その日曜日には町神輿の連合宮入が行われる。
おかめ市
12月14日(曜日に関わらず日程固定)にはおかめ市(露店が多数並ぶ熊手市)が開かれる。この行事に関する詳細は「和楽備神社 おかめ市」の記事を参照。
JR蕨駅近くに位置する旧中山道蕨宿には他に、三学院や蕨市立歴史民俗資料館本館・分館(旧金子家住宅)などがある。