小石川植物園 & 旧東京医学校本館
小石川植物園は、東京都文京区の、東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅から南東へ徒歩15分、または都営三田線の白山駅から西へ徒歩10分の地に位置する植物園。
幕府の御薬園を起源とする東大の附属植物園。
旧東京医学校本館は、その北西隅に移築された、明治期の東京医学校の校舎で、現在は博物館として使用されている。
小石川植物園
小石川植物園の正式名称は東京大学大学院理学系研究科附属植物園本園。
国指定名勝および史跡。
当地は承応元年(1652年)に館林藩の下屋敷(白山御殿)となり、徳川綱吉(後の第5代将軍)が居した。貞享元年(1684年)、敷地の一部が幕府の小石川御薬園となり、享保6年(1721年)に拡張されてほぼ現在の規模となった。
御薬園は幕末には1/10に縮小されていたが、明治維新で東京(帝国)大学の附属植物園となり、享保年間の規模に復旧された。
植物園本館は昭和14年竣工。東大の数々の校舎を設計した内田祥三による。
日本庭園以外にも、小さな池が複数ある。
御薬園の一角には享保7年に施薬院(養生所)が設置された。
この薬園保存園は戦後に整備されたものだが、旧養生所時代の井戸や乾燥場跡などは江戸期の遺構。
園内にはニュートンのリンゴ(奥)やメンデルのブドウ(手前)の分株が植えられている。そのほか、精子発見のイチョウなどもある。
柴田記念館(旧植物生理化学実験室)は大正8年竣工。
日本庭園
小石川植物園の日本庭園の起源は徳川綱吉邸時代と推測される。御薬園の敷地は拡大や縮小を繰り返し、幕末には蜷川能登守の下屋敷となっていた。
温室
現在の温室は3代目で令和元年竣工。温室前には、明治30年前後に作られた旧水草栽培池が2箇所残る。
梅林
日本庭園と地続きで梅林があり、2~3月頃には見頃となる。
桜
植えられている桜はソメイヨシノ系のものが多いため、3月下旬~4月上旬頃が見頃となる。なお、酒類の持ち込みは禁止。
ツツジ
長いツツジ並木が、園内の東西にある。このほかツツジ園やキリシマツツジの群落もあり、日本庭園のツツジも含め、植物園内のツツジはかなり充実している。
旧東京医学校本館
旧東京医学校本館は、小石川植物園の北西端に位置する洋館。
明治9年に東京医学校の本館として竣工した擬洋風建築の前半部分で、国指定重要文化財。
東京医学校は東大医学部の前身であり、この建物も現・東京大学本郷キャンパス内に建設されたが、昭和44年に現在地に移築。
現在は東京大学総合研究博物館小石川分館として利用されている。
明治9年竣工で国指定重要文化財。
全体像を正面から写すには小石川植物園内から撮る必要がある。