旧古河庭園
旧古河庭園は、東京都北区の、JR京浜東北線の上中里駅より南へ徒歩6分、または東京メトロ南北線の西ヶ原駅より南東へ徒歩6分の地に位置する、古河財閥総帥古河家の旧邸。
この邸宅の敷地は明治の元勲陸奥宗光の別邸であったのが、古河財閥の古河家の手に渡り、古河虎之助男爵が大正6年(1917年)にその本邸として今のように整備した(後に別邸となる)。戦後は国有地となり、都が一般公開している。
なお、古河財閥とは、現在の古河電気工業、富士通、ファナックなどの母体となった財閥である。
北側の丘陵上に洋館と洋風庭園が、南側の低地には日本庭園があり、庭園は国指定名勝となっている。
洋館及び洋風庭園はともにジョサイア・コンドルの設計で大正6年に完成。
洋風庭園は、フランス式庭園の幾何学性とイタリア式庭園の立体性を組み合わせた庭園で国指定名勝となっており、春秋のバラで有名。
洋館は外壁は石造だが、構造は煉瓦造。南側から見て右側が本館で、左側は使用人室や厨房のあった附属棟であり、背後に蔵が接続する。
なお、当邸宅には和館はないが、生活空間であった2階の屋内は和風となっている。
日本庭園は、明治期を代表する庭師である植治(小川治兵衛)の作庭で国指定名勝。なお、かつては数寄屋もあった。また、敷地の西南部には温室や花壇があった。
旧車庫も旧古河邸時代のもの。
裏門も旧古河邸時代のもの。長屋門で、現在は閉鎖されている。
旧書庫も旧古河邸時代のもので、西ケ原邸の前の築地邸から移築したと推測される。明らかに書庫として設計されたものではないと言う。
茶室は2棟ある。
バラフェスティバル
旧古河庭園では洋風庭園にバラが咲き誇る春秋にバラフェスティバルが催され、演奏会などのイベントが開かれる。また春のバラフェスティバルでは夜間ライトアップも行われる。
錦秋染まる旧古河庭園
11月中旬頃からの紅葉の季節にも「錦秋染まる旧古河庭園」と称して演奏会などのイベントが催される。