旧大蔵省醸造試験所第一工場
旧大蔵省醸造試験所第一工場は、東京都北区の、JR東北本線・東京メトロ南北線の王子駅より南西へ徒歩10分、または都電荒川線の飛鳥山停車場より北西へ徒歩7分の地に位置する近代化遺産。
妻木頼黄の設計で明治37年に建造され、国指定重要文化財となっている。
現在は公益財団法人日本醸造協会が管理(土地建物は国有)。
通常は非公開だが、フェンスの外からある程度外観をうかがうことができるほか、秋の東京文化財ウィークには内部が一般公開される。
北側の「醸造試験場跡地公園」から全体像を見ることができる。
かつては瓦屋根だったが第二次大戦で空襲を受け、戦後の修復の際にトタン屋根となっている。
左側(西側)の一階建て部分にはボイラー室や麹室などがあった。
右側(東側)の三階建て部分には、地下一階に試験室・貯蔵室が、二階に発酵室が、三階に倉庫(当初は水タンク置き場)があった。
南側の、蒸米冷却室などが入る部分は、非公開日には近寄れずあまり良く見えないが、公開日にはこのように近寄ることができる。
屋内は公開日のみ公開。旧麹室は施釉白レンガが使用されており、これは日本では現存建物で2番目に古いという。他にも屋内各所が公開される。
醸造試験場跡地公園の北側入口には門柱も残る。
なお、王子駅周辺には他に旧渋沢庭園 & 飛鳥山公園、正受院、王子神社、王子稲荷神社、名主の滝公園、東京第一陸軍造兵廠遺構などがある。