円融寺
円融寺は、東京都目黒区碑文谷の、東急目黒線の西小山駅より北西へ徒歩13分に位する、天台宗の古刹。正式には経王山文殊院圓融寺。
仁寿3年(853年)、慈覚大師円仁により天台宗の妙光山法服寺として創建。弘安6年(1283年)に日蓮宗に改め妙光山吉祥院法華寺と号するが、江戸時代に不受不施派が禁教となり取り潰されて元禄11年(1698年)に再び天台宗の寺院となり、天保5年(1834年)に現在名に改称した。
比較的大きな寺院で、堂宇は整っている。重要文化財の釈迦堂などの堂宇が揃う。
山門は、兵庫県三木市の某寺の山門として江戸後期の1833年に建立され、明治33年に品川御殿山の原邸に移され、更に昭和26年に円融寺に移築された。
仁王門は目黒区指定有形文化財。室町末期の1559年頃の建立だが江戸時代に大改修されている。門に収まる仁王像は1559年の作で東京都指定有形文化財。
鐘楼は平成2年建立。
釈迦堂は国指定重要文化財。室町初期の建立で、東京23区内では現存最古の木造建築(東京都下では東村山市の国宝・正福寺地蔵堂に次ぐ)。
「本堂」の名で重文に指定されているが、現在は新本堂である阿弥陀堂が建てられているので、釈迦堂は本堂ではなくなっている。
阿弥陀堂はRC造で戦後に建立。これが現在の本堂である。
中門は、元禄年間(1688-1704年)に釈迦堂に付加された向拝を、昭和24年に仁王門に付加し、さらに平成2年に分離して中門としたもの。
日源上人五重石塔は目黒区指定有形文化財。1636年の建立で、日蓮宗法華寺の開基日源上人(生年不詳~1315年)の供養塔である。高さ4.4m。
東門は平成2年建立。円融寺には今まで紹介した門のほかにも西門、平唐門、表門といった門があるが、全て平成2年建立。
円融寺から移築された建物としては、庫裡の門(1615年以前の建立)が、世田谷区の妙法寺に法華門として移築されている。