青山霊園
青山霊園は、東京都港区の青山という都心にある、広大な都営墓地。東京メトロ千代田線の乃木坂駅より徒歩2分、東京メトロ銀座線の外苑前駅からなら徒歩5分。
青山霊園の敷地は、江戸時代は郡上藩(岐阜県郡上市付近)藩主青山家の下屋敷跡であった。明治5年、今の立山地区(外苑西通りを挟んだ飛び地)が墓地として整備され、同7年には現在の青山霊園の主体部分も開園した。
江戸時代は一般人には神葬祭が認められておらず、明治時代に入っても神式墓地がなかったため、青山霊園は当初は神葬祭用の墓苑として整備された。
青山霊園には、谷中霊園に次いで、個性的または特徴的な墓が多い。著名人の墓も多い。特殊墓域としては、外国人墓地や警視庁墓地がある。
また、桜の名所でもあり、春には中央通路は桜のトンネルとなる。
畝傍の森という一角には、巡洋艦畝傍慰霊碑と水雷艇駆撃艦千鳥慰霊碑がある。奥に見える石碑が巡洋艦畝傍慰霊碑。
水雷艇駆撃艦千鳥の慰霊碑は砲身を模したもので、周囲に砲弾を配してある。
明治の元勲大久保利通の墓所の入口には立派な石碑が立つ。神式の墓石は更に奥にある。
霊園内の一角には広い外国人墓地がある。外国人墓地は染井霊園にもあるが、規模はこちらの方が遥かに広い。
警視庁墓地は、主に西南戦争殉職者の墓地。
旧福岡藩主黒田家の、明治以降の立派な墓所がある。黒田家は明治以降は侯爵に列した。墓所の入口には鳥居が立ち、神式であることを示している。
霊園内には個性的で立派な墓も多い。その一部を紹介。
旧佐賀藩主鍋島侯爵家墓地(現存せず)
青山霊園には、旧福岡藩主黒田侯爵家だけでなく、旧佐賀藩主鍋島侯爵家の明治以降の墓所もあったが、2015年に撤去された。
土饅頭が幾つも並び、その脇に石碑が立つ、広く立派な神式墓所であった。写真を何枚かあげておく。
桜並木
青山霊園は桜の名所でもある。南北に霊園の中央を貫く道は、桜のトンネルとなっている。