烏森神社
烏森神社は、東京都港区の、JR新橋駅の烏森口より西へ徒歩2分の地に鎮座する稲荷社。新橋駅は大正3年までは烏森駅という名だった。JR新橋駅至近という繁華街に現代的なデザインの社殿が立つ。概して神道は保守的な宗教であり、当社のような例はかなり珍しい。また社殿だけでなく鳥居も個性的。
また、当社は江戸三森(椙森神社、柳森神社、烏森神社)の1つである。
烏森神社独特の鳥居を木造で再現したもの。簡易な木造だけに、細部が一ノ鳥居とは若干異なる。
烏森神社独特の鳥居。
烏森神社独特の拝殿。鳥居に良く似ている。
本殿。
社殿の向かって右側には心願色みくじなるオミクジを結ぶ小部屋があり、そこにも小型だが、烏森神社独特の鳥居がある。
烏森神社の由緒
由緒では、藤原秀郷(俵藤太)が、平安時代の天慶3年(940年)に反乱を起こした平将門を無事征討できた神恩に謝して創建したと伝える。藤原秀郷が平将門との戦の前に稲荷に戦勝を祈願すると、白狐に白矢を与えられ、その矢をもって将門を無事討伐できた。その後、秀郷は夢で白狐に烏の群がる所に社を建てるよう告げられた。秀郷がこの地に至ると烏が森に群がっていたので当社を創建した、とされる。少し違うバージョンの由緒では藤原秀郷が当社に将門討伐を祈願した(つまり乱平定前に既に当社があった)という伝承も存在する。将門を討ち取った藤原秀郷は将門と同様、関東では伝説的な武将であり、関東(特に本拠地であった北関東)には秀郷の将門征討に関連する由緒を持った寺社が数多く分布する。
八棟造りの神輿
烏森神社のもう1つの特徴は、八棟造りの本社神輿で、5月の例大祭で出御する。八棟造りの神輿はまあまあ珍しいという程度だが、このサイズのものは珍しい。
本社大神輿は大型の八棟造りで昭和5年製作。台輪幅は4尺2寸あり、俗に千貫神輿と呼ばれるものの一つ。
田村親交町会神輿も八棟造り。神幸祭では本社神輿を先導する先導神輿として使われる。
烏森町会大神輿も八棟造り。神幸祭では女性が担ぐ女神輿として使われる。
烏森町会小神輿も八棟造り。神幸祭には加わらず、JR新橋駅前の烏森町会御神酒所に飾られる。
初詣
下の写真は烏森神社の元日夕刻の写真。露店等は出ていなかった。
例大祭
烏森神社の例大祭は5月4~6日に開催される。隔年で5月5日に上記の八棟造りの神輿の渡御が行われる。この行事に関する詳細は「烏森神社 例大祭」の記事を参照。