瀬田四丁目旧小坂緑地 & 多摩川テラス武家屋敷門
瀬田四丁目旧小坂緑地と多摩川テラス武家屋敷門は、東京都世田谷区の、玉川地区の国分寺崖線上に至近距離に位置する、近代の政治家の旧別邸と、江戸時代の上級武士の移築屋敷門。
ともに区の文化財に指定されている。
瀬田四丁目旧小坂緑地
瀬田四丁目旧小坂緑地は、東京都世田谷区の、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅より北西20分に地に位置する近代和風建築。
財界人で後に政治家に転身した小坂順造(1881-1960年)が、昭和12年に建てた別邸の跡で、崖線上に築かれた庭園と家屋が残り、主屋、中門及び塀、表門、裏門、土地が区の文化財に指定されている。
表門の門柱はコンクリート造・石貼り、門扉は木製。世田谷区指定有形文化財。
崖線上にあり、この門からは多摩川テラスの武家屋敷門が近い。
主屋は昭和12年竣工。洋風の寝室棟、和風の主棟(座敷)、山小屋風の書斎棟で構成され、茶室や内蔵も備える。世田谷区指定有形文化財。
中門及び塀は世田谷区指定有形文化財。
庭園は国分寺崖線の斜面を利用して整備され、竹林や小川もある。
この庭も含め、敷地も世田谷区指定有形文化財。
なお、この庭にはかつては横山大観が戦時疎開した茶室もあった。
裏門も世田谷区指定有形文化財。
崖線の下にあり、この門からは岡本静嘉堂緑地が近い。
多摩川テラス 武家屋敷門
多摩川テラスの敷地内にある武家屋敷門は、岡山藩の筆頭家老・伊木(いぎ)家の下屋敷表門を岡山市より移築したもの。世田谷区指定有形文化財。
江戸中期の18世紀末に岡山市内の屋敷に建てられたが、昭和12年に千代田区紀尾井町の日産コンツェルン創始者・鮎川義介の邸宅内に移築された。昭和38年に鮎川家が当地に転居する際にこの門も表門として移され、更に昭和53年に当地に多摩川テラスが建設される際に曳家された。
かつては長屋門の右側は納戸部屋、左側は番所であった。