第六天榊神社
第六天榊神社は、東京都台東区の、都営浅草線蔵前駅より南へ徒歩3分の地に位置する鎮守社。
第六天社の総本社(後述)を名乗る。
景行天皇40年(西暦110年)、東征中の日本武尊が、鏡を埋めて皇祖2神(面足尊と惶根尊)を祀り、後に民が祠を建てたのに始まる。異伝では、欽明天皇の代(539-571年)に創建とも、延喜年間(901-923年)に創建とも伝える。
かつては台東区内の鳥越に鎮座し、鳥越・熱田とあわせて鳥越三所明神と称したが、正保2年(1645年)に浅草森田町(現・蔵前二丁目)に分離・遷座し、さらに享保4年(1719年)に現・柳橋一丁目に遷り、昭和3年(1928年)に現社地に遷座。江戸時代は第六天神宮や第六天神社と呼ばれたが、明治6年に榊神社に改称。
RC造の社殿は昭和8年建立。昭和20年に空襲で外構だけとなり、昭和31年に大改修された。
例大祭
当社の例大祭は6月の上旬に執り行われる。かつては隔年で宮神輿の渡御があったが、近年は出御しないことが多い。町神輿の連合渡御は毎年行なわれる。この行事についての詳細は「第六天榊神社 例大祭」の記事を参照。
第六天社の総本社
先述したように、第六天榊神社は第六天社の総本宮を名乗っている。
第六天社は主に南関東に分布し、千葉・東京・埼玉の県境付近では胡録神社、千葉の九十九里周辺では面足神社、千葉県北東部では皇産霊社と言う社名となっていることも多い。
第六天社の祭神は本来は仏教の第六天魔王で、神道では神代七代の6代目の神である面足尊と惶根尊を当てるのが一般的(ただし千葉県北東部では高皇産霊神などを祭神とすることも多い)。
第六天榊神社は第六天社の総本宮を称しているものの、このことを認めている他の第六天社は聞いたことがない。分霊関係にある社も、あったとしても極めて少ないと思われる。
ではなぜ総本宮を名乗るのかの根拠を推察するに、日本武尊創祀という、第六天社としては古い由緒に基づくものかもしれない。確かに第六天社としては古い由緒(史実かどうかは別問題)だが、他に同程度古い由緒の社がないわけではなく、例えば千葉県芝山町小池の面足神社は、日本武尊が住民に下賜した小石2個を祀るのに始まるとの由緒を持つ第六天社である。また、現存するかは未確認だが、銚子市猿田町には崇神天皇45年(BC53年)に創建された皇産霊神(俗称・第六天)があったという。