羽村取水堰 & 玉川水神社
羽村取水堰は、東京都羽村市の、JR青梅線の羽村駅より西へ徒歩10分に位置する上水道施設。
江戸へ上水道を供給する玉川上水の取水口として江戸初期の承応2年(1653年)に上水とともに完成し、明治・大正期に増改築を繰り返し現在の形となった。土木学会選奨土木遺産。
川の中に太いコンクリート柱が立っている部分が取水堰のうちの投渡堰、その先の陸地になっている部分が固定堰。
投渡堰は1654年以来木製だったが明治44年にコンクリート製に造替。
固定堰沿いに広がる河川敷には、川の勢いや流れを調整する牛枠などが点々と置かれている。
固定堰も明治44年にコンクリート造になった。
堰にせき止められた水は第一水門から取り入れられる。明治33年、下部は煉瓦造、上部はゴロタ石積に改修された。
大正13年にはコンクリートで第一水門を増築。
第一水門で取り入れられた水は第二水門で水量の調節をし、その結果余った水は小吐口から多摩川へ戻す。
第二水門は写真の人道橋のすぐ下流にあり、多摩川側の壁の一番奥が第一水門で、その間の壁に小吐口がある。
小吐口は余った水を多摩川に戻す口。明治33年、下部は石造、上部はゴロタ石積に改修された。
多摩川サイドから見た小吐口は、一番上の写真の一番手前の部分。
第三水門は大正13年完成。第一取水堰の下流500mにある [地図]。
水はここから地下導水管で多摩湖(村山貯水池)と狭山湖(山口貯水池)に送られ貯留される。
玉川水神社
玉川水神社は、東京都羽村市の、JR青梅線の羽村駅より西へ徒歩11分に鎮座する神社。
承応3年(1654年)、玉川上水及び羽村取水堰の工事に当たった玉川庄右衛門・清右衛門兄弟が水神を祀って創建。
大正10には取入口の西側から現在地へと遷座した。境内には玉川上水羽村陣屋の門が残されている。
一帯は江戸時代、玉川上水羽村陣屋があった地で、羽村市指定旧跡となっている。
覆屋内の本殿は天保年間(1831-1845年)の建立。
江戸時代、玉川上水の管理に当たった玉川上水羽村陣屋の遺構。